東京五輪でできたC1を、フェラーリ「カリフォルニアT」で周回する【首都高ループドライブ:02】
首都高速の周回コースといえば、C1がもっとも有名だ。1964年に開催された東京五輪に合わせてつくられたC1は、昭和の雰囲気がたっぷりと残っているコース。かつてはストリートファイターがよく走ったコースだが、あえてそのツイスティなルートを、フェラーリ「カリフォルニアT」で流してみた。
内回りと外回りで表情を一変させるC1ルート
もっとも都会的で首都高速らしいルートといえばC1である。首都高速のループといえば、むかしからC1が主要コースだった。
ひと昔前なら、ルーレット族が鎬を削って走っていたルートだ。いまでもC1をメインに走るストリートファイターは多いようだが、だからこそ、あえてフェラーリ「カリフォルニアT」でC1を流してみた。
4号線から三宅坂JCTで都心環状線C1外まわりに入ると、そこから江戸橋JCTまでは狭く小さなコーナーが続いている。
ここは速度を出しにくいが、そのかわり、いかにも都会を走っているという雰囲気を味わえる。また江戸橋JCTから京橋方面に向かうと、車線中央に橋げたが現れるので驚かないように。
1号線が分かれていく浜崎橋JCTを芝公園方面に向かい、2号線が合流してくる一の橋JCTから谷町JCT、霞が関出口辺りは渋滞の名所でもある。だからこそ、渋滞のない深夜に走ってみたいのだ。
●東京五輪とともに生まれたC1を、味わうように堪能する
ターボ化されたエンジンを搭載したカリフォルニア」には賛否両論あったが、実際の購買層にはさほどマイナス要因ではなかった。
そもそもマイナーチェンジする前も、確実に販売台数を伸ばしてきたカリフォルニアは、従来のフェラリスタだけでなく、メルセデス・ベンツのSLクラスなど、他ブランドからの乗り換えもかなり含まれていたようだ。甲高いエキゾーストノートがどうしても必要という訳ではなかったということだろう。
スイッチひとつで簡単にオープンになるカリフォルニアは、同時代のV8リアミッドフェラーリである458スパイダーよりもより開放的だ。トランクにバリオルーフを収納するが、その際でもまだ荷物を積めるだけのスペースを確保しているのだから、非常に実用的なフェラーリということもできる。
そのネーミングからも想像できるように、西海岸あたりをオープンにして、助手席には女性を乗せて走るのがよく似合うフェラーリなのだ。気負いや緊張とは無縁のデートカーとして真夏の夜のドライブを堪能したい。
カリフォルニアに用意されたルートは、中央高速から4号線へと入り、C1をループするルートだ。松任谷由実の有名な歌の歌詞とは逆のルートだが、頭の中にはそのメロディがリフレインしているくらい肩の力を抜いて走りたい。
走る車線は左車線。C1を懸命に走るクルマを相手にもせずに、悠然と都会の景色のなかを流す。V8リアミッド・フェラーリだとそうはいかないが、カリフォルニアなら絡まれることもないだろう。これぞ大人のフェラーリ乗りである。
●stage 02:テクニカル周回コース/中央Free Way~4号~C1周回
・難易度:★★★★★★★★☆☆
・景観度:★★★★★★★★☆☆
・デートドライブ度:★★★★★★★☆☆☆
・ストイック度:★★★★★★★☆☆☆
・距離:26km/高井戸スタート+C1 1周(14km/C1 1周)
・所要時間:25分/1周
・オービス情報:■都心環状線・外回り(東京都中央区八丁堀3丁目付近・京橋JCT内)■都心環状線・外回り(東京都中央区新富1丁目付近・新富町の手前)■都心環状線・外回り(東京都港区芝2丁目付近・浜崎橋JCTから芝公園の間)
新宿副都心の夜景を楽しむには、中央道方面からアクセスして4号線を使うしかないため、ループで走るにはC1を使うのが便利だ。1960〜1970年代にかけて作られたルートということもあり、昭和を肌で感じることができる。
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