ブームが終わって消えちゃった!? 激レアなクロカン4WD車3選

1990年代初頭にはじまった「RVブーム」のころは、各メーカーともクロスカントリー4WD車を販売していました。そこで、いまではほとんど見られなくなった、懐かしのクロスカントリー4WD車を3車種ピックアップして紹介します。

RVブームのころに輝いていた往年のクロスカントリー4WD車たち

 現在、世界的にSUVの人気が高まっていますが、日本では1990年代の初頭から「RVブーム」が起こり、とくに売れていたのがクロスカントリー4WD車です。

RVブームで本格クロスカントリー4WD車が次々とデビューした
RVブームで本格クロスカントリー4WD車が次々とデビューした

 RVとはRecreational Vehicle(レクレーショナル・ビークル)の略で、クロスカントリー4WD車だけでなく、ミニバンやステーションワゴンなど、主にレジャー用途に向いたクルマが該当します。

 1990年代にはブームに乗っかるように、各メーカーからクロスカントリー4WD車が販売されていましたが、ブームの終焉とともにいつのまにかラインナップから姿を消しています。

 そこで、いまではほとんど見られなくなった、懐かしのクロスカントリー4WD車を3車種ピックアップして紹介します。

●三菱「チャレンジャー」

「パジェロ」ベースながら都会的な印象の「チャレンジャー」
「パジェロ」ベースながら都会的な印象の「チャレンジャー」

 RVブームをけん引したのは三菱「パジェロ」で、パジェロが大ヒットしたことで、三菱は次の一手として、1996年に2代目パジェロのコンポーネントを流用した新型SUV「チャレンジャー」を発売します。

 外観は都会的な印象のステーションワゴンとし、ワイルドさを前面に出したパジェロとの差別化を図っていました。

 搭載されたエンジンは3リッターV型6気筒ガソリンに加え、2.8リッターと2.5リッターの直列4気筒ディーゼルターボの3種類が設定され、駆動方式は全グレードとも4WDです。

 なお、上位グレードは4種類の走行モードを状況に応じて使い分けられる三菱独自のスーパーセレクト4WDを採用。下位グレードは、パートタイム4WDとなっています。

 さらにチャレンジャーは比較的安価な価格設定となっており、装備が充実した最量販グレード「X」が284万8000円(消費税含まず、以下同様)、廉価グレードの「S」が231万8000円でした。

 その後、マイナーチェンジでガソリン直噴エンジン「GDI」が搭載され、フロントフェイスのデザインの刷新などがおこなわれましたが、パジェロほどのヒットとはならず、2001年に販売を終了。

 しかし、海外では継続して販売され、現在も「パジェロスポーツ」の名で高い人気を誇っています。

●日産「ミストラル」

ヨーロピアンテイストあふれるRVの「ミストラル」
ヨーロピアンテイストあふれるRVの「ミストラル」

 かつて日産が販売していたクロスカントリー4WD車というと、フラッグシップの「サファリ」、ミドルクラスの「テラノ」、そして、ピックアップトラックの「ダットサントラック」がありました。

 このラインナップに加え、1994年に日産はスペイン工場で生産する「ミストラル」を輸入し、販売を開始します。

 シャシはテラノのものが流用され、当初はロングボディ3列シートの5ドアのみの設定で、後に3ドアのショートボディを追加。外観は無骨な印象のテラノに比べ、スタイリッシュに仕立てられていました。

 エンジンは2.7リッター直列4気筒OHVディーゼルターボと4速ATが組み合わされ、駆動方式も全車パートタイム4WDです。

 また、北米をターゲットとしていたテラノに対し、ミストラルは欧州が主なマーケットだったため直進安定性が高く、オンロードでの性能を重視した足まわりのセッティングという特徴があります。

 1997年のマイナーチェンジでフロントフェイスが一新されるなどテコ入れされましたが、テラノほどの人気を獲得できず、1999年には販売を終了。いまでは現存数も少なく、中古車市場でも滅多にお目にかかれません。

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