まさに本物のクロスオーバーSUV!? 激レアなSUV3選
近年、世界的に人気が高まっているSUVですが、とくにクロスオーバーと呼ばれる都会派SUVの販売が好調です。そこで、SUVの人気が高くなる以前に発売された、珍しいクロスオーバーSUVを3車種ピックアップして紹介します。
オフロードもオンロードもこなすクロスオーバーSUVたち
現在、日本のみならず世界的に人気が高いクルマといえばSUVですが、とくにクロスオーバーSUVと呼ばれる乗用車の要素とクロスカントリー車の要素を融合したモデルに、人気が集中しています。
一方、いまのようなSUV人気が高まる以前からクロスオーバーSUVは存在しており、かつてはユニークなモデルが販売されていました。
そこで、珍しいクロスオーバーSUVを3車種ピックアップして紹介します。
●ダイハツ「ミラ RV4」
1990年代初頭に起こった「RVブーム」では、三菱「パジェロ」やトヨタ「ハイラックスサーフ」、日産「テラノ」といった本格的なクロスカントリー4WD車が大人気となりました。
RVは「Recreational Vehicle(レクリエーショナル・ビークル)」の略称で、クロスカントリー4WD車だけでなくステーションワゴンやミニバンなどの、レジャー用途車を総称する呼び名です。
当時、このRVブームにあやかって販売台数を増やそうと、各メーカーが普通の乗用車をRV風にして販売することも流行しました。
1992年に登場した軽自動車のダイハツ「ミラ RV4」もRV風な1台で、1990年に発売された3代目「ミラ」の4WDモデルをベースに、悪路走破性を高めるために最低地上高を上げて、フロントバンパーガードやアンダーガード、サイドステップ、ルーフレールなどを装備し、まさにクロスオーバーSUVといえるモデルに変貌。
さらに、スペアタイヤをバックドアに設置するなど、かなり本格的に作り込まれていて、現在でも通用すると思われるほど秀逸なデザインでした。
1994年に4代目にモデルチェンジするとミラ RV4は生産を終え、生産期間はわずか2年と短命だったため、いまでは激レアなモデルです。
●フォルクスワーゲン「ゴルフ カントリー」
1990年に発売されたフォルクスワーゲン「ゴルフ カントリー」は、見た目だけでなく悪路走破性が高く、本物のクロスカントリー4WD車といえます。
ベースとなったのは2代目「ゴルフ」の4WDモデル「ゴルフ シンクロ」で、最低地上高を大幅に上げ、フロントにスチール製のグリルガードや背面スペアタイヤの装着、タイヤもオフロード寄りのブロックパターンとなっており、シャシも補強されているなど、フォルクスワーゲンの本気度合いがうかがえます。
なお、メルセデス・ベンツ「Gクラス」やトヨタ「スープラ」と同様にオーストリアのマグナシュタイアがゴルフ カントリーの生産をおこなっていました。
1991年には当時の輸入代理店であるヤナセを通じて日本にも正規輸入されましたが、バブル景気という背景があったためかランドローバー「レンジローバー」やジープ「チェロキー」といった正統派の輸入SUVに人気が集中し、ゴルフ カントリーはセールス的には成功したといえませんでした。