まるでガンダム? ド派手「ハイエース」が減少!? バニングカーが減少した理由

かつてハイエースなどのカスタム手法のひとつとして注目を集めたド派手な「バニングカー」。最近では、その姿を見かける機会は減りましたが、なぜ減少しているのでしょうか。

ド派手なハイエースカスタム「バニングカー」は何故消えた?

 ひと昔前に、一世を風靡した「バニングカー」というカスタム手法があります。最近では見かけなくなりましたが、当時はド派手な外観デザインが話題となり、注目を集める存在でした。なぜ、最近では見かける機会が減ったのでしょうか。

かつて一世を風靡した「バニングカー」(提供:株式会社オート・リバイバル)
かつて一世を風靡した「バニングカー」(提供:株式会社オート・リバイバル)

 バニングカーは1960年代頃にアメリカの西海岸で発祥したカスタム文化とされています。大型のバンの居住性を向上させるためのカスタムとして、若者の間で流行しました。

 外装はいたって普通でも、室内はキャンピングカーさながらの装備が搭載されており、自分なりの居住空間を作り出し、それを見せ合うのが当時のスタイルだったようです。

 その後、内装だけではなく外装のカスタムにも力を入れ始めたバニング文化は、1970年代から1980年代になり日本にも持ち込まれることとなります。

 日本でのバニングカーは本場アメリカとのスタイルに違いがあり、いかに派手にカスタムされているかが重視される独自の文化に変化していきました。

 大型の延長バンパー、派手な装飾、といったスタイルが主流となり、走るよりも「魅せる」カスタムが人気を集めます。

 アメリカではダッジ「A100」、ダッジ「トレーズマン」、シボレー「アストロ」シボレー「シェビーバン」がベース車両として人気がありましたが、日本においては比較的安価でカスタムがしやすいトヨタ「ハイエース」や日産「キャラバン」などの、商用バンをカスタムするのが主流となっていたようです。

 なかには「スムージング」と呼ばれる、フロントの窓以外をパテなどで埋め、ボディー全面にキャラクターや有名人などのペイントを施すといった、大胆なカスタム方法も存在しました。

 内装はシートや内張りを張り替え、革素材やモケットを使用してオリジナルの空間を演出することが醍醐味となっていたようです。

 また、音響にもこだわりが強く、重低音や大音量を繰り出す大型のウーハーや無数のスピーカーを配置するカスタムも流行していたのです。

 さらには、当時人気だったアーティストをエアブラシで描いたバニングカーも一時期、ライブ会場の周辺で見かけることもありました。

 しかし、そんなバニングカー文化も2000年代に突入すると同時に衰退の一途をたどることになるのです。

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