まるでガンダム? ド派手「ハイエース」が減少!? バニングカーが減少した理由
法規制がバニングカー減少の理由?
バニングカーが減少傾向にある、最大の理由には「8ナンバー規制」が関係しています。
2001年の制度改正以前の8ナンバーは、緊急車両やキャンピングカーや街宣車といった、特殊車両専用のナンバーでした。
8ナンバーに分類されれば車体サイズが変更可能となり、範囲内であればバンパーの延長や大型ウィングの取付けも許されていたため、堂々とド派手なカスタムができました。
走行するのも不自由なほどド派手なカスタムでありながら、改造自体は合法といった現在では考えにくい状態だったのです。
また、8ナンバーは、税金や保険料などの維持費が安くなるといった事情もあり、節約の意味でも取得する人が増加します。
やがて、1990年代には節税などの目的で8ナンバーの不正登録が増え、2001年に規制が強化されます。それまでは、登録時だけ必要な設備を搭載して検査を通し、検査後でそれらを取り外すといった方法で8ナンバーを取得することが可能でしたが、法改正後は運輸支局や自動車検査登録事務所に直接持ち込まなければならなくなりました。
また、登録に必要な設備は簡単に取り外しができない構造でなければいけないため、取得するには高額な費用が必要となりました。
そのため、8ナンバーを取得するハードルがあがり、事実上は取得するのが難しくなってしまったことが、バニングカーが衰退してしまった要因といわれています。
いまでもバニングカーを販売する中古車販売店スタッフは以下のように話します。
――今でもバニングカーユーザーはいるのでしょうか
規制が強化された以前に8ナンバーを取得したクルマであれば、いまも乗っている人はいます。しかし、年が経つごとに各パーツが劣化するため、ただでさえ少ないバニングカーファンも、どんどん減っています。
――バニングカー乗りたちは、今はどうしているのでしょうか。
現在は、カスタムメーカーが販売しているキャンピングカー仕様のハイエースが人気です。見た目は普通のバンですが、内装に革張りのソファやウッド調の家具を配置し、オリジナリティを出すことができます。
また、かつてのバニングカー乗りたちは、今はもう家族を持つことも多い「いい歳」です。まだ乗れるバニングを持っていても、奥さんや子どもたちのことを考えて、見た目が普通のクルマに乗り換える人は多いですね。
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8ナンバーの規制強化は、バニングカーだけがその原因ともいい切れないため、「不運」な終わり方だったといえます。痛車の一種として海外でも話題となった日本独自の文化ですが、絶滅を迎えてしまう日も近いかもしれません。
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