バブル景気を象徴するモデルがあった!? メーカーの強みを活かしたコラボ車5選
ポルシェが手掛けた特別なセダン&ワゴンとは!?
●メルセデス・ベンツ「500E」
1991年に発売されたメルセデス・ベンツ「500E」(後にE500に改名)は、Eクラスセダンに、スポーツモデルの「500SL」のエンジンを移植した特別なモデルです。
Eクラスに500SLのV型8気筒エンジンを搭載するために、フロアパネルが変更され、エンジンだけでなくトランスミッションや前後のサスペンション、ステアリングギアボックスまで500SLのものが搭載されました。
ボディは前後トレッドを拡大したことでワイド化されたフェンダーと、専用のバンパーが装着されてはいるものの、派手なエアロパーツは無く、比較的地味で大人しそうなボディとなっています。
しかし、330馬力を発揮する5リッターV型8気筒DOHC「M119型」エンジンによって、0-400m発進加速タイムは14.8秒、最高速度は250km/hと、まさにスーパーセダンといえる性能を誇っていました。
開発はポルシェに委託され、なかでも初期のモデルはポルシェの工場で作られたことから日本で人気が高まり、バブル景気という背景もあって、日本には正規輸入車だけでなく、数多くの並行輸入車も上陸。
現在は旧車ブームの影響から中古車にプレミアが付き、高額な価格で取引されています。
●アウディ「RS2アバント」
フォルクスワーゲングループのなかで、プレミアムブランドとして発展したアウディは、1994年にポルシェとコラボレートしてステーションワゴンの「RS2アバント」を発売。開発の多くをポルシェが担当し、生産もポルシェの工場でおこなわれました。
RSはドイツ語で「Renn Sport」(英語でRacing Sport)という意味で、現在まで続くアウディのRSシリーズの第1作目がRS2アバントです。
ベースになったのは「A4」の祖先にあたる「80アバント」で、専用にチューニングされた2.2リッター直列5気筒DOHCターボエンジンを搭載し、トランスミッションは6速MTが組み合わされました。
最高出力は315馬力を誇り、本来、80シリーズの最高出力は115馬力から170馬力でしたから、じつに2倍から3倍近いパワーが与えられていたことになります。
また、駆動方式は4WDで0-100km/h加速4.8秒の俊足ながらも扱いやすく、乗り心地はマイルドで高級感もあったといいます。
外見は一見すると何の変哲もないステーションワゴンですが、当時のポルシェ「911」と同じデザインのドアミラーやホイールと、その隙間から覗くことができる「PORSCHE」の文字が刻まれたブレンボ製ブレーキキャリパーなどで、RS2アバントが只者ではないことを見分けることができます。
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今回紹介した5台以外にも、国内では1983年に発売されたダイハツ「シャレード デトマソ・ターボ」や、いすゞ「ジェミニイルムシャー」「ジェミニZZ ハンドリング・バイ・ロータス」などもあり、どれもヒット作になりました。
また、現在でもトヨタには他社と協業したモデル「86」や新型「スープラ」がありますが、古くからトヨタのDOHCエンジンをヤマハが開発していたことは有名で、エンジンにヤマハのロゴやマークが入っています。
単なるアウトソーシングだけでなく、ブランド価値も含めたコラボレーションによって、より魅力あるクルマが出来上がるということでしょう。
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