意外とイケてたのに短命だったモデル!? 再評価されるべきホンダの迷車3選
秀逸なスタイルながら販売状況は厳しかったスポーツセダン
●アスコットイノーバ
かつて、ホンダの販売チャネルは「トゥデイ」や「シビック」といった小型車を主に扱う「プリモ店」、アコードや「レジェンド」などミドルクラス以上のモデルを主に扱う「クリオ店」、「インテグラ」や「プレリュード」などスポーティなクルマを主に扱う「ベルノ店」の3つに分かれていました。
そのプリモ店から1992年に発売されたスポーツセダンが「アスコットイノーバ」です。クリオ店のアコードに対してプリモ店には姉妹車の「アスコット」があり、その派生車としてラインナップされました。
ボディサイズは全長4670mm×全幅1695mm×全高1380mm(2リッターエンジン車)と、アコードと同等のサイズとされていましたがデザインは大幅に異なり、欧州車テイストの4ドアハードップと6ライトウインドウが特徴となっています。
搭載されたエンジンは2リッター直列4気筒SOHCとDOHC、2.3リッター直列4気筒DOHCの3種類で、足まわりは当時のホンダ車が広く採用していた4輪ダブルウィッシュボーンとするなど、スポーティな走りを実現。
しかし、アスコットイノーバの販売は低迷し、1996年に生産を終了。セダンとして王道を行くアコードのデザインに対し、クーペに近いアスコットイノーバのデザインは、現在でも通用するくらいスタイリッシュに見えますが、出るのが早すぎたのかもしれません。
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莫大な費用と時間を掛けて新型車を開発したとしても、すべてのクルマが売れるわけではありません。
今回、紹介した3台はどれも個性的なデザインで、スペックなどに決定的な欠陥があるわけでなく、いまなら再評価されても不思議ではありませんが、当時はユーザーに受け入れられませんでした。
新型車開発の難しさがよくわかる3台ではないでしょうか。
アスコットイノーバを取り上げたのなら、提携時代のローバーつながりでホンダコンチェルトも語る必要がありますよね。
キャパは取り回しの良い、いい車でした。