日産のイキオイが凄かった! バブルに輝いた日産車5選

社会現象にもなった高級セダンとは!?

●シーマ

高級車の概念を変えたバブルを代表するクルマ「シーマ」
高級車の概念を変えたバブルを代表するクルマ「シーマ」

 かつて、トヨタと日産は「クラウン」対「セドリック/グロリア」という国産高級車の覇権争いを、半世紀近くおこなっていました。

 そして、日産は1988年にセドリック/グロリアの上級仕様として、初代「セドリック シーマ」と「グロリア シーマ」(以下シーマ)を発売し、3ナンバー専用ボディを持たなかったクラウンに対して一気に攻勢をかけます。

 ボディは4ドアピラーレスハードトップで、それまでにないワイド感を強調しつつ、伸びやかでスポーティさもありました。

 搭載されたエンジンは3リッターV型6気筒DOHCで、自然吸気で200馬力、ターボモデルでは255馬力という高出力を誇ります。

 バブル景気や、1985年頃から始まった中流意識の高まりから生まれた「ハイソカーブーム」という背景もあり、シーマは大ヒット作となります。

 また、ライバルのトヨタもすぐに追従して「セルシオ」を発売。他メーカーからも高級志向と高性能を兼ね備えたセダンが続々登場するなど、国内の高級車市場が活性化し、後に「シーマ現象」と呼ばれました。

 なお、シーマはその後モデルチェンジを重ね、現行モデルで5代目となり、日産および海外のインフィニティブランドのフラッグシップセダンとして販売していますが、かつてほどの隆盛はありません。

●シルビア

速さと美しさを併せ持ち、大ヒットした「シルビア」
速さと美しさを併せ持ち、大ヒットした「シルビア」

 いまでは「走り屋御用達」のイメージがある1988年発売の5代目「シルビア」ですが、当時は若い女性にも人気で、ホンダ「プレリュード」とともに「デートカー」としても名を残しています。

 シルビアのデザインは斬新かつスタイリッシュで、4代目までの無骨なイメージから、丸みを帯びつつもシャープな印象の2ドアクーペに一新。

 内装も同様に、曲線を多用することで、外装のイメージにリンクさせています。

 グレード構成は「K’s」「Q’s」「J’s」があり、エンジンはK’sが1.8リッター直列4気筒ターボで最高出力175馬力を発揮。Q’sとJ’sは自然吸気で135馬力でした。

 前述のとおり5代目シルビアはデートカーと呼ばれていましたが、手頃な価格で購入できる高出力なFR車が少なくなったこともあり、走り屋からも支持されます。

 姉妹車として1989年に3ドアハッチバックの「180SX」が追加され、1991年には2リッターエンジンに換装される大幅なアップデートをおこない、1993年に生産を終了。

 しかし、6代目シルビアは大型化されて販売は低迷し、5代目が再評価されることになります。

※ ※ ※

 今回、紹介したクルマは、どれも好調なセールスを記録。この当時、ほかにも「セフィーロ」や「ブルーバード」「パルサー」「マーチ」なども売れて、日産は絶好調に見えました。

 しかし、日産のOBに伺うと、1987年ころから好景気ながら日産の財務状況は悪化していたといいます。

 実際に、販売直前だったミッドシップ2シータースポーツの「MID4」の開発は、白紙撤回されてしまいました。

 現在、日産は厳しい状況ですが、「技術の日産」というDNAは受け継がれていますので、新体制のもとワクワクするようなクルマが出ると期待できるのではないでしょうか。

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1件のコメント

  1. 排ガス規制が強化され始めた昭和50年頃、T社は対策をせず姑息な駆け込み増産したことや後出しじゃんけん車ばかりで、名古屋の田舎企業と揶揄されていました。若かった私は、サニー・チェリーFⅡ・パルサー・プレーリーと日産車ばかりに乗り続け、今はキューブです。
     田舎では狭い道路が多く、コンパクトカーで十分です。昨今では車中泊の旅行がブームとなっていますが、それに見合うコンパクトワゴン車を是非開発してもらいたいです。ℯパワーなら電源車としてアウトドア用としても可能な気がするのですが・・・。セレナが追加で出すようですが、もう少しコンパクトに!

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