トヨタ新顔「プリウス」の登場から1年! 歌舞伎顔をヤメた成果はどうだったのか

トヨタの人気モデル「プリウス」が2018年12月17日にビッグマイナーチェンジをおこなってから、約1年が経過します。それ以前は、現行型となる4代目からのデザイン面の影響や、先代プリウスと比べられた結果「人気低迷」というイメージがついていました。しかし、このマイナーチェンジによって見事に復活を果たしました。この1年の販売動向と、なぜプリウスが人気なのかについて紹介していきます。

歌舞伎顔をヤメた「プリウス」はどうだった?

 トヨタの看板モデル「プリウス」は、2018年12月17日にビッグマイナーチェンジをおこなってから約1年。一時期は、デザイン面の影響により、人気が低迷したといわれるほどでしたが、2019年の販売では比較的に好調を維持しています。

 ハイブリッド車のパイオニア的存在ともいえるプリウスの販売事情とは、どのようなものなのでしょうか。

歌舞伎顔をヤメた、マイナーチェンジ後の「プリウス」
歌舞伎顔をヤメた、マイナーチェンジ後の「プリウス」

 初代プリウスは、世界初の量産ハイブリッド車として1997年に発売されました。その後、2代目(2003年)、3代目(2009年)、そして現行モデルとなる4代目(2015年)とハイブリッド性能の進化や時代に合わせたデザインへの改良とともに、歴史を重ねています。

 とくに、3代目モデルでは、年間販売台数を31万5669台(2010年)、31万7675台(2012年)と過去にもあまり例がない30万台超えを2度も達成。名実ともに「売れているクルマ」でした。

 2015年には、現行型となる4代目モデルにフルモデルチェンジがおこなわれます。このプリウスは、新プラットフォームのTNGAを採用した第一弾モデルとして華々しくデビューしました。

 しかし、「歌舞伎顔」ともいわれる垂れ下がったヘッドライトやテールライトのデザインなどについて、日本のユーザーからは不評が相次ぐ結果となったのです。

 また、同社のコンパクトハイブリッド車「アクア」(2011年)や日産の電動パワートレイン車「ノート e-POWER」(2016年)の登場などもあり、新車販売台数の上位には位置しているものの過去と比べて「プリウスブランド」の勢いは落ちています。

 最近の軽自動車を除く新車販売台数では、2017年にピーク時より大幅に減少しつつも16万912台で年間首位に輝きます。
 しかし、2018年には11万5462台となり、首位「ノート」と2位「アクア」に続く3位と販売台数の下降傾向は止まりません。さらに、月間販売台数で見ても冒頭のように首位からは遠ざかっていました。

 そんななか、プリウスブランドの低迷を打開するために、トヨタは歴代「プリウス」でも類を見ないほどの大幅なマイナーチェンジを前述の2018年12月17日に実施したのです。

 マイナーチェンジでは、「歌舞伎顔」とも揶揄され不評だった前後のデザイン変更や、衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンス」を全車標準装備したほか、夏場のシート蒸れを解消する吸い込み式のベンチレーションを新たに前席へ採用するなど日常の使い勝手の向上も図られています。

 マイナーチェンジに至った経緯について、トヨタ広報部は次のように話します。

「デザイン面では、従来モデルオーナーからも“抵抗があった”という声が確かにありました。クルマを選ぶ段階でも『デザインが残念』という声が多かったようで、デザインを変えなければということで変更して、プリウスの良いところを見てもらうためにも、『好んで頂けるデザイン』にしています」

※ ※ ※

 発売後、徐々に販売台数を伸ばしていき、2019年4月の登録車販売台数では、売れているクルマのイメージが定着化していた日産「ノート」を破り、トヨタ「プリウス」が約16か月ぶりに首位の座を奪還しました。

 その結果、2019年上半期(1月から6月)の販売台数は7万277台を記録し、6か月のランキングでも首位になります。

 その後も5月から7月の登録車販売台数で首位を維持。8月、9月にはトヨタ「シエンタ」、10月にはトヨタ「カローラ」に首位を奪われるものの、安定的な台数を保っています。

 直近の販売状況について、販売店のスタッフは次のように話します。

「プリウスは、マイナーチェンジ以前からそれほど低迷しているモデルではありませんでした。ただ、日産『ノート』が好調だったことや、3代目プリウスに比べると勢いが落ちていたこともあり、全体的なイメージとして低迷している印象があったのかもしれません。

 しかし、2019年の春から夏にかけては、ほかを抑えて販売が好調でした。これは、もちろん2018年12月のマイナーチェンジの影響があります。

 なかでも、デザインの面で現行型の4代目モデルを敬遠されていたお客さまは少なからずいらっしゃいました。そこに、デザイン変更+安全・快適装備の充実という付加価値を点けたことで、ご年配のお客さまが『プリウスからプリウス』へ乗り換えをされているようです」

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2件のコメント

  1. 国内デザイナー起用している間は何をしようがポンコツデザインが続くであろう。

  2. あれは歌舞伎を通り越してエイリアン面だ。リニューアルして本当に良かった。ついでに下品なレクサスの糸巻グリルも廃止してほしい。

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