トヨタ「プリウス」はもう古い? フィットやヤリス登場でHV戦国時代突入へ
近年、トヨタを代表するハイブリッドカー「プリウス」の人気が再び高まっています。ハイブリッドカー人気の波に乗り、新車販売ランキングでも1位を獲得するなど売れ行きも好調ですが、じつはダントツといえる状態ではなく、上位を僅差で争う人気モデルが多数存在します。現在の新車ランキングは、どのようになっているのでしょうか。
王者プリウス復活も、肉薄するライバルたち
トヨタのハイブリッドカー「プリウス」の人気が、近年再び高まっています。日本自動車販売協会連合会の2019年上半期(1月から6月)の新車販売台数ランキング(軽自動車・輸入車を除く)で、プリウスは前年比109.8%の7万277台を販売して1位となりました。
しかし、プリウスが他を寄せ付けない圧倒的な人気を得ているわけではなく、少しでも状況が変われば1位の座が危うい状況だといいます。現在プリウスを取り巻く販売状況は、どのようになっているのでしょうか。
2015年12月に発売された現行型4代目プリウスは、発売翌年の2016年、続く2017年には前出の新車販売台数ランキング(以下、販売ランキング)で1位を獲得しましたが、2018年に首位から陥落して3位(販売台数11万5462台:以下、括弧内の数は販売台数)となりました。
しかし2019年の上半期に再び1位となり、翌月の7月も1位(1万3137台)を獲得するなど、好調さがうかがえます。なお、8月は2位(8176台)、9月は3位(1万1158台)と、単月ではあるもののランキング順位を若干落としました。
そんななか、プリウスの販売ランキング首位を脅かすクルマは、意外にも同門のトヨタ車のラインナップに数多く存在します。なかでも、急激に売り上げを伸ばしているのが、トヨタの小型ミニバン「シエンタ」です。
2019年上半期の販売台数は5万926台で5位でしたが、8月にプリウスを569台差で抑え、ミニバン初の首位(8745台)を獲得した後、9月も連続で首位(1万3558台)にランクイン。9月の同月前年比は185.4%と、驚異的な数字を記録しています。
現行型2代目シエンタの登場は2015年7月であるため、「新しい」クルマとはいえません。なぜ人気が下がることなく、むしろ上昇しているのでしょうか。
トヨタの販売店スタッフは、シエンタの人気について次のように話します。
「シエンタは、ハイブリッド専用車であるプリウスや『アクア』とは異なり、選択肢が多いという点で好評です。ハイブリッド仕様とガソリン仕様が選べるのはもちろん、2018年9月からは2列シートタイプが選べるようになりました。3列目が必要ないという人にも、シエンタが選択肢に入るようになったのです。
また、両側スライドドアが装備されているため、小さい子どもがいるファミリー層からの人気も高いです」
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直近の販売ランキングにおいてシエンタがプリウスを逆転した一方で、2018年にプリウスより高い人気を得たクルマのひとつに、前出の販売店スタッフが挙げたコンパクトカー「アクア」が挙げられます。
同じハイブリッド専用車のプリウスと比べてボディサイズがコンパクトなアクアは、使い勝手の良さが特徴で幅広い世代で人気です。2018年は前出の販売ランキングで3位のプリウスを上回る2位(12万6561台)を記録しました。
プリウスが1位を獲得した2019年上半期の販売ランキングでも3位(6万349台)を記録し、2011年の発売から約8年が経過しているのにも関わらず、人気は衰えていません。
パワーユニットには1.5リッター+モーターのハイブリッドシステムが採用され、コンパクトカーカテゴリートップの低燃費性能が特徴ですが、4WDの設定がないことが降雪地域における弱点とされています。
フルモデルチェンジこそされていないものの、マイナーチェンジや新グレードの追加が度々おこなわれていて、2017年には新グレードとして、SUV風の外観を持つ「クロスオーバー」や、走りを追求した「G“GR SPORT”」が設定されました。
特別仕様車の追加も精力的におこなわれ、2019年10月にはアウトドアに特化した「S“GLAMPER”(グランパー)」が発売されています。なお、グランパーはアクア以外にも、シエンタを含むトヨタの全4車種に設定されています。
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