テインのサスペンション「エンデュラプロ」はすべてにおいて純正サスを凌ぐ性能!?

成長が予想されるサスペンション市場で存在感を示すことができるのか?

 続いて、有料道路に入り徐々に速度を上げてみるのと同時に、EDFCの設定を変え減衰力を最大にしてみます。

「EnduraPro」のオプションであるEDFCは室内から減衰力調整ができる優れもの
「EnduraPro」のオプションであるEDFCは室内から減衰力調整ができる優れもの

 すると、先ほどまでちょっと頼りなかったステアリングの感覚がビタっと収まりました。そのままレーンチェンジをしてみると、「スポーティ」と形容しても大袈裟ではないほどの感覚です。

 レーンチェンジが終わった後の車体の収束も一瞬で決まります。路面からの入力をステアリングでしっかりと感じることができ、高い速度域でも安心して走らせることができます。

 1人でクルマに乗っているときや、ちょっとスポーティな走りをしたいとき、そして大人数で乗車しているときや荷物をたくさん積んでクルマが重くなったときなどは、このセッティングの効果をとくに感じることができるでしょう。

 本当はスポーツカーに乗りたいけれど、家族のためにミニバンに乗っている人も多いと思います。そのような人には減衰力を変えてあらゆるセッティングが瞬時に調整可能なEDFCの取り付けがオススメです。

 日本の道路は世界的に見ても整備がいき届いていて、サスペンション自体の対応年数も長くなる傾向です。そのため、純正形状タイプのダンパーはあまり売れておらず、市場でもあまり注目されることはありませんでした。

 しかしテインのエンデュラプロシリーズは、ダンパー自体の破損や劣化のリスクを無くすための交換という意味を差し置いてみても、日本のユーザーニーズにとても合っているサスペンションだと感じました。

 自動車メーカーだからこそできないサスペンションの開発。それこそがテインの魅力であり、海外のマーケットで大幅にシェアを伸ばしている要因なのです。

 アフターパーツのダンパーマーケットは現在1億4000万本程度ですが、2030年には1億8000万本へ成長すると予測されています。エンデュラプロシリーズは、現在全世界で220車種700品番をリリース済みで、今後は3000車種に対応していく予定だといいます。

 ちなみに、今回試乗したヴォクシー(ZRR80W)に装着されていたエンデュラプロ プラスはダンパー単体でフロントが2万2千円、リアが1万4千円となっています(消費税別)。乗り心地や走行性能の向上、さらには耐久性も向上するとなれば決して高い買い物ではないと思います。

 アフターパーツサスペンションの今後は、純正形状ダンパーのアップグレード品が日本でも旋風を巻き起こすかもしれません。

テイン「エンデュラプロ」はどんな構造のサスペンション? 写真で詳しく見る(23枚)

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