「DS3クロスバック」は唯一無二のプレミアム感 コンパクトSUV市場に旋風を巻き起こすか
2019年6月に日本に上陸したDSオートモビルの完全なるニューモデル、「DS3クロスバック」に試乗。外観も内装も、独特で強烈な個性をまとったコンパクトSUVですが、その走りはどうだったのでしょうか。
フランスの高級ブランド「DS」のSUV第2弾
「DS3クロスバック」は、グループPSA(旧名PSAプジョー・シトロエン)の高級ブランド「DSオートモビル」のコンパクトSUVです。日本では2019年6月26日から発売が開始されました。
DSブランドのSUVとしては、2018年7月に日本に上陸した「DS7クロスバック」に次いで2番目のモデルとなります。
全長4120mm×全幅1790mm×全高1550mm、ホイールベースは2560mmと、サイズ的にはBセグメントSUVというジャンルにカテゴライズされる1台です。
パワートレーンには130馬力/230Nmを発生する新開発の1.2リッター3気筒ターボ「ピュアテック」エンジンに8速ATの「EAT8」を組み合わせ、燃費はWLTCモードで15.9km/Lという数値を記録します。
グレードは3種類。マニュアルエアコンながら17インチアルミホイールや7インチデジタルインストルメントパネル、8エアバッグが装備された「ビーシック」は304万5000円(消費税込、以下同様)、オートエアコンやフルLEDリアライト、フロントソナーやバックカメラが標準になる「ソーシック」は363万6000円、レザーシートに18インチアルミホイール、ヘッドアップディスプレイやFOCALのHiFiスピーカーなどが標準装備される「グランシック」は411万5000円となります。
試乗したモデルは最上級グレード「グランシック」。ボディ色は8色を用意しますが、試乗車はDS3クロスバックのイメージカラーであるブルーミレニアム(オプション:5万9400円)で、3色用意されるルーフ色は、ノアールオニキス(オプション:2万5000円)に色分けされています。
実際に目にすると、DS3クロスバックの外観は妖しい雰囲気に包まれています。ソリッドなボディラインは、昼間の太陽の下、夕方、そして夜と、見る時間によって雰囲気を変えていきます。姿カタチはたしかにSUVなのですが、どのクルマとも似ていないデザインです。
鍵をポケットに入れたままクルマに近づくと、ドアハンドルが自動的にポップアップし、ドライバーを出迎えます。
ドアを開けて車内に入ると、外観以上にオリジナリティあふれる内装が待っています。ダイヤモンドパターンのスイッチとクロームのベゼル、ダイヤモンドステッチの本革シートなど、すべてが高い質感です。
ウィンググリルもようやく板についてきたと思わされる反面、どこか中国好みの脂ぎった面処理がボディ随所に見られるのは惜しまれる。
もちろん同じDSオートモビルの新作=DS9セダンよりも遥かに覇気がある造形なため免じて許しておこう。