なぜ小型車はトレンド変化なく売れ続ける? ミニバンは高級化、軽は普通車化とニーズは変化

日本で市販されるクルマは、使用用途によっていくつかのジャンルに分けられます。軽自動車、コンパクトカー、セダン、ミニバン、SUVなどです。そのなかで、ミニバンは高級化し、軽自動車は普通車に近い立ち位置となるなど時代に合わせて変化しています。しかし、コンパクトカーは大きな変化をしていないにもかかわらず、常に売れ筋モデルとなっています。いったいその理由はなんなのでしょうか。

変化しなくてもコンパクトカーが売れる理由とは

 すべてのコンパクトカーが変化をしないでも売れている訳ではありません。販売が振るわないコンパクトカーもあります。

 例として、日産「マーチ」、トヨタ「パッソ」、ダイハツ「ブーン」が挙げられます。前述の年間新車販売台数ランキングは、マーチが44位(1万1557台)、ブーンのOEM車であるパッソが20位(4万7183台)、そして本家モデルのブーンが46位(1万768台)という結果です。

 これら3車種の特徴として「普通車としては群を抜いて安い価格」と「3.7メートルから3.8メートル前後の全長」のふたつを兼ね備えている点があります。

 まずマーチのエントリーモデルの価格を見ると、117万2600円から(消費税込:以下同様)と普通車のなかではトップクラスに安い価格設定となっています。

 パッソとブーンのエントリーモデルも119万9000円からと安価で、近年高価格化が進んだ軽自動車とは対照的です。

 また全長に関しては、マーチは3825mm(NISMOグレード・ボレログレードを除く)、パッソは3650mmから3680mmとなっています。

 これは、コンパクトカーの売れ筋モデルに多い約4メートルと、軽自動車規格である3.4メートルの間に位置する全長です。

小型ハイブリッドをけん引する日産「ノート e-POWER」とトヨタ「アクア」
小型ハイブリッドをけん引する日産「ノート e-POWER」とトヨタ「アクア」

 一見すると、価格と軽自動車と普通車の特徴を兼ね備えたクルマのように見えますが、なぜ販売台数が伸びないのでしょうか。

 人気のコンパクトカーについて、前出の大手自動車メーカーの広報担当者は、次のように話します。

「コンパクトカー自体に大きな変化はありませんが、時代に合わせてさまざまな部分の改良や進化は当然しています。もちろん、売れるクルマを作らなければいけないために商品の価値を高める施策は日々おこなわれているのです。

 そのなかで、最近のクルマに共通してハイブリッド仕様の設定があります。『ちょうど良い立ち位置』のコンパクトカーにハイブリッドという高付加価値がつくことで、必然的に売れるモデルになっているといえます」

※ ※ ※

 実際に、前述の新車販売台数ランキングはのトップ10に入ったコンパクトカー5車種のうち半数以上にハイブリッド仕様の設定があり、2位のアクアに関してはハイブリッド専用車です。

 そして1位のノートには、エンジンで発電した電力を用いてモーターで走る「e-POWER」というパワートレインが採用されています。

 日産の販売店スタッフも「ノートは元々販売実績が良かったのですが、『e-POWER』の登場によって『売れているクルマ』の常連となりました」とコメントしていることから、人気のクルマとなるためにはプラスアルファの要素が求められているようです。

 コンパクトカーは大きな変化をすることなく個々の機能を進化させる道に進んでいるといえるかもしれません。

人気コンパクトカーのエクステリア・インテリアを画像で比較!(41枚)

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Writer: くるまのニュース編集部

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