なぜ小型車はトレンド変化なく売れ続ける? ミニバンは高級化、軽は普通車化とニーズは変化

日本で市販されるクルマは、使用用途によっていくつかのジャンルに分けられます。軽自動車、コンパクトカー、セダン、ミニバン、SUVなどです。そのなかで、ミニバンは高級化し、軽自動車は普通車に近い立ち位置となるなど時代に合わせて変化しています。しかし、コンパクトカーは大きな変化をしていないにもかかわらず、常に売れ筋モデルとなっています。いったいその理由はなんなのでしょうか。

コンパクトカー市場は変革の時を迎えるか

 日本の自動車市場は、平成に入ってからミニバン、コンパクトカー、軽自動車、SUV(RV)とさまざまなカテゴリが人気となります。

 そのなかで、本格RV車はSUVに、ファミリー層の色が強かったミニバンは高級化、軽自動車はハイスペック化するなど、時代の流れに合わせて変化を遂げてきました。

 しかし、コンパクトカーは長い歴史のなかでも大きな変化をせず、いまに至ります。この先のコンパクトカーはどうなるのでしょうか。

いまのコンパクトカージャンルを築いたといえるトヨタ「ヴィッツ」とホンダ「フィット」
いまのコンパクトカージャンルを築いたといえるトヨタ「ヴィッツ」とホンダ「フィット」

 日本自動車販売協会連合会が発表した2018年度(2018年4月から2019年3月)の新車販売台数ランキング(軽自動車・海外ブランドは除く)において、1位を獲得したのはコンパクトカーの日産「ノート」です。1年間で13万1760台を販売しました。

 2位にもトヨタのコンパクトカー「アクア」(12万7899台)がランクインしているほか、トップ10のうち半数をコンパクトカーが占めていることからも、コンパクトカーは依然として人気のカテゴリーです。

 ほかのカテゴリーは時代が求めるニーズに合わせて仕様や機能を追加してきました。一方で、コンパクトカーは先進安全機能や運転支援システムは、随時採用されていますが、コンパクトカーの方向性自体は大きく変わっていません。

 コンパクトカーの立ち位置について、大手自動車メーカーの広報担当者は次のように話します。

「クルマにはそれぞれの使用用途が大まかに定まっています。たとえば、SUVは元々悪路走破性が重要視され、その性能を持ったまま都市部でも走れるクルマとして進化しました。

 また、軽自動車はコンパクトカー同様に当初は個人使用や近所の買い物用といった気軽な使いやすさが求められていましたが、最近では普通車と同じように使えて安全な乗り物としてのニーズが高まっているため、スライドドアや背が高い居住性を意識したモデルが多くなっているのです。
 
 一方で、基本的にコンパクトカーは、個人使用を前提として開発されています。もちろん、軽自動車と似ている部分はありますが、スペックや税制面で区別されています。

 逆に上のカテゴリーにはセダンやミニバン、SUVと控えているため、軽自動車より裾野を広くしすぎることもなく、上のカテゴリーまで性能や高級感を求めることも必要ないちょうど良い立ち位置なので、大きな変化がないのかもしれません」

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