少数派「水平対向エンジン」なぜ残る? スバルとポルシェが続ける理由とは

水平対向は電動化が進むとどうなる?

 スバル同様に「水平対向型エンジン」を採用しているのが、ドイツの自動車メーカー「ポルシェ」です。現在では「パナメーラ」や「カイエン」「マカン」以外のスポーツモデルに採用しています。

EJ20型エンジンを搭載したSTI創立30周年記念コンプリートカー「WRX STI RA-R」
EJ20型エンジンを搭載したSTI創立30周年記念コンプリートカー「WRX STI RA-R」

 ポルシェの1号車として登場したポルシェ「356」に搭載されたエンジンは、空冷4気筒PHVの「水平対向型」でした。その後の「911シリーズ」にも「水平対向型」が採用され、現在にいたります。こうした「911=水平対向型」という伝統に加え、前述の『クルマを走らせるうえでのメリット』などと相まって「水平対向型」が採用され続けています。

 従来、ポルシェの「ボクスター」「ケイマン」には、水平対向6気筒エンジンを搭載してきましたが、年々厳しくなる燃費規制やパワー・トルク向上の技術革新により、2016年から水平対向4気筒エンジンにシフトしたモデルも登場しています。

 将来的には、さらなる燃費規制や電動化が予想されるなか、ポルシェは、2025年までに全モデルの50%を電動化すると宣言。2019年9月には、ポルシェ初の量産EV「タイカン」が発表され大きな話題となりました。

 一方、スバルは「水平対向型」と電動技術を組み合わせた新開発のパワーユニット「e-BOXER」を展開。燃費の悪さをカバーするとともに、規制にも対応していくとしています。

 同じ燃費の悪さで、一旦は姿を消したマツダの「ロータリーエンジン」は、モーターの発電用として新たに開発が進められ、近い将来には市販車に搭載して登場する予定です。

 独自性をもつ「水平対向型」は、新たな形で進化を続けていくものと思われます。

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