たった1台生産された日産「GT-R」とは!? 極めすぎたスカイライン5選
2019年で誕生から62年という、日産車のなかでもっとも長い歴史を持つスカイライン。最新モデルでは歴代で最高となる405馬力を発揮する仕様を設定するなど、大いに話題となっています。そこで、歴代スカイラインのなかから特別なモデル5車種をピックアップして紹介します。
生産台数1台で非売品! 特別なスカイラインを紹介
日産が誇るセダン/クーペのひとつに「スカイライン」があります。初代は1957年のプリンス時代にデビューして、いままで途絶えることなく歴史を積み重ねてきました。
その長い歴史を持つスカイラインには、特別なモデルも数多く存在します。そこで、歴代スカイラインのなかから印象深いスペシャルモデル5台をピックアップして紹介します。
●NISMO GT-R LM 公認用ロードカー
日産は過去から現在まで、さまざまなモータースポーツにチャレンジしてきました。なかでも1986年からグループCによるワークス体制で耐久レースの最高峰であるル・マン24時間レースに参戦。しかし、1990年をもって参戦を一旦中断します。
そして、日産のル・マン参戦は1995年に再開されますが、当時はグループCに代わって市販車をベースとしたGTクラスが実質的にトップカテゴリーとなっていたため「スカイランGT-R」で挑むことになりました。
スカイラインGT-Rをベースにした通常の改造だけでは上位入賞は困難ということで、ニスモは、R33型スカイラインGT-Rを大幅にモディファイしたル・マン専用マシン「NISMO GT-R LM」を製作。
当時のル・マン24時間レースは「GTクラスに出場する車両は一般公道を走行できるロードカーが存在しなければならない」という規定があったため、ニスモはNISMO GT-R LMのベース車となるロードカーを1台製作のうえイギリスで一般車両として登録し、公認を取得しました。
NISMO GT-R LMは、全幅1880mmとなるワイドな前後フェンダーに巨大なサイドステップなど、市販車とは大きく異なる外観となっていたほか、エンジンもRB26DETT型をベースに最高出力305馬力にチューンナップ。サスペンションやブレーキも変更されていました。
このNISMO GT-R LMはスカイラインの名前は使われず、公認用に作られたのみで市販されませんでしたが、いまも神奈川県座間市にある「日産ヘリテージコレクション」で保管されています。
●スカイラインGT-R NISMO
1989年に衝撃的なデビューを飾ったR32型スカイラインGT-Rは、レースに勝つという目標のため、280馬力を発揮するRB26DETT型エンジン、可変トルク型の4WDシステムが搭載され、実際にツーリングカーレースでは無敵を誇ります。
このツーリングカーレースはグループAにカテゴライズされたマシンで戦ったのですが、改造には厳しい制約がありました。そこで、さらにバージョンアップされた「スカイラインGT-R NISMO」を1990年に500台限定で発売。
エンジンの変更点はターボ内のブレードがセラミックからメタルに変更され、出力などのスペックは変わりありませんでした。
また、ABS、エアコン、オーディオ、リアワイパーなど装備が省かれ、約30kg軽量化されています。
外観ではフロントバンパーにダクトが追加され、小型のリアスポイラーが追加されるなど、トータルで見ても小規模な変更です。
スカイラインGT-Rでは異色のストイックなモデルとして、いまも語り継がれています。
●スカイライン オーテックバージョン
R32型スカイラインGT-Rの登場は大いに話題となりましたが、このスカイラインGT-Rのエンジンを使い、1992年にオーテックジャパンが4ドアセダンの「スカイライン オーテックバージョン」を開発しました。
まずRB26DETTからターボを外し、2.6リッターの自然吸気エンジンとしてピストン、カムシャフトなどを専用品に変更。最高出力は220馬力と控えめながら、自然吸気エンジンならではの鋭いアクセルレスポンスを実現していました。
4WDシステムは「GTS-4」グレードと同等のもので、ブレーキは「GT-R」から流用しています。
トランスミッションは5速MTが設定されず、4速ATのみでした。これはロングドライブにおけるドライバーの疲労軽減と、スカイライン オーテックバージョンのコンセプトが「スポーツカーを卒業した大人のためのクルマ」だったからといいます。
新車当時の価格は418万8000円(消費税含まず)で、販売台数はわずか200台ほどでした。
R32ニスモは皆普通のRにニスモバンパーを、付けて走ってたよねぇ!