日産「シルビア」人気なぜ続く? デートカーからドリフトまで根強い人気を誇る理由とは
人気の中古シルビア市場はどうなっているのか?
スポーツ走行に向いたパッケージとして走り屋に人気となったS13型、S14型、S15型シルビアは、スポーツ走行だけでなく、競技の世界でもさまざまな活躍をしています。
スーパーGTの前身でもあるJGTCにも歴代シルビアをベースとしたレーシングカーが出場していた実績があるものの、もっとも多くのシルビアが活躍したのはドリフト競技の世界です。
シルビアは、車高調とLSDを組めばすぐにでもドリフトすることができるほどの素性の良さがあり、いまでもミニサーキットなどで実施されているドリフト系走行会では、じつに8割以上がシルビアということがあるほどです。
ドリフト競技の最高峰ともいわれているD1グランプリシリーズでは、19年の歴史のなかで8回、兄弟車種の180SXも含めると10回もシルビア系の車種がチャンピオンを獲得しています。
このドリフトマシンのベース車としての素性の良さは海外からも注目され、いまや世界中のドリフト競技でベース車として使われるようになっています。
いまなお高い人気を誇り、さまざまなイベントで活躍するS13型、S14型、S15型シルビアですが、中古車市場はどうなっているのでしょうか。
中古車販売やオリジナルパーツの開発・販売をしている風間オートサービス(埼玉県)の風間氏は次のように話します。
「個体数が少なくなったというのもありますが、年数が経過しているので状態がいいものも少ないといった状況で、いまやシルビアは本当に高くなっています。
S15型のノーマルで120万円から、チューニングしてあっても状態がいいものは180万円から200万円というところが相場で、走行距離が少なくノーマル状態をキレイに維持しているものだと200万円を軽く超える場合もあります。場合によっては、現行モデルのトヨタのFRスポーツカー『86』を新車で購入したほうが安いくらいです」
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さらに車体だけでなく、エンジンやトランスミッションといった中古パーツも合わせて価格が高騰してきており、純正の補修部品も廃盤になっているものがあるそうです。
前述で紹介しているように、過酷な使用環境となるD1グランプリシリーズで長年戦い続けていた結果、シルビアにもともと搭載されているSR20DETのチューニングは大幅に進歩し、最終的には排気量アップやレースガソリンを使用して800馬力程度は出せるようになりました。
しかし、通常のドリフト走行会ではまだまだ純正搭載されているSR20DET型が主流となっていますが、D1グランプリシリーズで活躍しているマシンはそれでも足りず、エンジン載せ替えが主流になっています。
搭載されるのは、トヨタ「スープラ」や「アリスト」に搭載されていた3リッター直列6気筒エンジン(2JZ-GTE型)で、ターボもアフターパーツメーカー製へと交換し、1000馬力を超えるようなチューニングが施されたマシンも活躍しています。
また、スタンスネイションやヘラフラッシュといったドレスアップ系イベントでは、エンジンチューニングまでされている車両は少なくなります。
そのかわり、車高調やエアサスを使って車高を低くするカスタムが主流となっています。とはいえ、スポーティーカーとして販売されていたシルビアなだけあって、ドレスアップ系イベントでも末広がりなエアロやスポーツ系ホイールを組み合わせるなど、走りを意識するカスタムが多いようです。
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