日産「シルビア」人気なぜ続く? デートカーからドリフトまで根強い人気を誇る理由とは

当時、デートカーの代名詞的存在だった日産「シルビア(S13型)」。いまではドリフトの定番車となっています。なぜジャンルを変えてもいまだに人気が衰えないのでしょうか。

 1988年に、歴代シルビアのなかでももっとも販売台数が多かった5代目となる日産「シルビア(S13型)」が発売され、その後、6代目「シルビア(S14型)」、最終型となった7代目「シルビア(S15型)」へと続きました。

 S13型は、当時の若者から「デートカー」と親しまれ人気モデルになります。その後、15型が2002年に販売終了となりますが、17年が経過したいまでもその人気は根強く、ドリフトを中心としたさまざまなカテゴリーでカスタムのベース車として親しまれています。

 なぜシルビアは、これほどまで根強い人気を誇るのでしょうか。

D1グランプリシリーズで活躍する日比野哲也選手が騎乗するシルビア(S14型)。TRA京都が販売しているロケットバニーボスV2ワイドボディキットによってS14型シルビアのフェイスを大胆に変更しているのが特徴です。
D1グランプリシリーズで活躍する日比野哲也選手が騎乗するシルビア(S14型)。TRA京都が販売しているロケットバニーボスV2ワイドボディキットによってS14型シルビアのフェイスを大胆に変更しているのが特徴です。

 歴代シルビアのなかでも、もっとも販売台数が多いのがS13型です。これは当時としては未来的なデザインが採用され、グッドデザイン大賞を受賞しており、約30万台が販売されたといわれています。

 1988年から1993年まで発売されたこのモデルは、デートカーとして位置付けられていたとおり、20代から30代の若者たちを中心に人気となりました。

 当時としても数少なくなってきた後輪駆動のFRレイアウトを採用し、自然吸気のNAエンジンだけでなく、ターボエンジンを搭載したモデルもあり、新車価格も200万円を下まわる設定だったことも人気の要因だったといわれています。

 そして、ターボエンジンでFRレイアウトといったパッケージは、スポーツ走行にも適していたため、アフターパーツメーカーによってさまざまなチューニングパーツが開発され、走り屋と呼ばれる層にも人気の車種となっていきました。

 チューニング業界でさまざまなイベントMCを勤めている鈴木学氏は次のように当時の様子を振返ります。

「S13型シルビアは日産のスポーツカー好きが手軽に買えるクルマでした。トヨタにもターボエンジンの同じような車種はなかったし、ハチロク(AE86)はFRレイアウトだけどNAエンジンだったので。ただ、本当にブレイクしたのはS14型シルビアが出てからです」

 S13型の後継モデルとして1993年に販売開始されたS14型は、ボディが5ナンバーサイズから3ナンバーサイズへと変更されたものの、FRレイアウトでターボエンジン搭載といったパッケージに変更はなく、このモデルになってからもアフターパーツメーカーによるパーツ開発は継続されていました。

 販売台数が多かったS13型が中古車市場に出まわるようになると、多くの走り屋たちは中古のS13型をベース車としてチューニングしてスポーツ走行をするようになり、S15型が販売されたらS14型のチューニングは流行るといった流れができあがります。

 このように、中古車としてさらに価格が安くなったS13型やS14型をベース車とすることができ、豊富に作られたパーツでチューニングできるということが、いまなお続く人気の一助となっていたのです。

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