日産「キューブ」12月で生産終了へ 背高小型車人気でも新型開発せず約21年の歴史に幕

国内の新車市場ではコンパクトカーのジャンルが根強くあります。そんななか、1998年にコンパクトジャンルの先駆け的存在として誕生した日産「キューブ」が、2019年12月で生産終了することが明らかになりました。なぜ、人気ジャンルのキューブは生産終了するのでしょうか。

キューブが2019年12月で生産終了!

 いまは軽自動車と併せて、コンパクトカーの人気が高いです。エンジンの排気量は1リッターから1.5リッターで、価格は機能を充実させた軽自動車と大差ありません。

 とくに人気を得ているのは、全高が1600mmを超える天井の高いタイプです。クルマの造りは2列シートのミニバンという感じで、車内は広々とし、後席を畳めば自転車を積める車種もあります。

 そんな人気ジャンルの先駆け的存在が日産「キューブ」ですが、2019年12月末で生産終了となることが明らかになりました。なぜ、人気ジャンルのモデルが廃止されるのでしょうか。

21年の歴史に幕を閉じるキューブ
21年の歴史に幕を閉じるキューブ

 キューブの初代モデルは、1998年に登場して注目されました。2002年に発売された2代目は、ヒット作になり、2008年に現行型の3代目が登場しています。

 初代モデルの登場から約21年、キューブの生産終了について、日産の販売店は、次のように説明しています。

「キューブの生産終了は、2019年8月下旬に、日産から知らされました。12月になると生産を終えるとのことです。理由は聞いておりません。また次期型にフルモデルチェンジしたり、後継車種が新たに登場する話もありません」

 つまりキューブは、単純に生産を終えるようです。現行型は前述の通り2008年に発売され、特別仕様車の設定や、アイドリングストップが加わった程度で、目立った改良は受けていません。

 近年で、不満が多かったのが安全装備についてです。同社コンパクトカー「ノート」は、2013年に単眼カメラを使った歩行者検知も可能な緊急自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)を設定しましたが、キューブは現時点でも用意していません。

 いまでは、緊急自動ブレーキが非装着のクルマは、カテゴリーを問わず売りにくくなっています。いつになったらキューブに対応するのかと思っていましたが、結局、装着されず生産を終えることになりました。

 日産の販売店では、生産終了に伴う顧客の反応を次のように話します。

「キューブについては、緊急自動ブレーキの装着を待っていたお客様が相応におられます。生産終了の話をしたところ、『緊急自動ブレーキが付いてなくても買う』という人もおりました。これから生産終了のニュースが広がると、注文が入るかも知れません」

 このコメントからは、現行キューブが発売から10年以上を経過しながら、いまでも根強い人気を得ていることがうかがわれます。

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