安全装備のエアバッグはいつ開く? 正しい知識ないと予想外な怪我にも繋がる可能性も

クルマを運転しているなかで、人の安全を守る装備にエアバッグがあります。一般的にハンドルから白い風船状のものが出てくるイメージですが、実際にはどのような状況で作動するのでしょうか。

運転手や同乗者の安全を守るエアバッグとは

 クルマの安全性能は、日々進化しています。最近では、衝突被害軽減ブレーキや障害物を検知して知らせるコーナーセンサーなどは比較的普及している装備です。

 そのなかで、人体の安全を保護するエアバッグは1980年代の後半から国産高級セダンなどに採用されはじめ、徐々に普及していき、いまでは軽自動車からスーパーカーまでほとんどのクルマに搭載される安全装備となりました。

 しかし、エアバッグがいつ、どのように作動するかは実際に事故が起きなければわかりません。実際には、どのようなタイミングで作動するものなのでしょうか。

クルマの被害が大きくてもエアバッグのお陰で命が助かる可能性も
クルマの被害が大きくてもエアバッグのお陰で命が助かる可能性も

 エアバッグの正式名称は、「SRSエアバッグ」と呼びます。SRSとは「Supplemental Restraint System」の略で補助拘束装置という意味になり、あくまでもシートベルトの働きを補助するものです。

 最近では、正面からの衝撃を吸収するだけでなく、横からの衝撃から守ってくれるサイドエアバッグや、サイドウインドウ部分をカバーしてくれるカーテンエアバッグも一般的になりました。

 エアバッグは、シートベルトを装着していないと十分な効果が発揮できず、逆に危険が増すこともあります。国土交通省が公開している「自動車総合安全情報」において、エアバッグが展開した場合の死亡事故では、シートベルトを装着していないときの死亡率は、シートベルトをしていたときの約15倍にもなるというデータがあります。

 では、エアバッグはどのようなときに作動するのでしょうか。大手自動車メーカーの担当者は次のように話します。

「運転席と助手席のエアバッグは、車速が20km/hから30km/h以上のスピードで前面からぶつかった場合に衝撃をセンサーが感知して展開するように作られているので、それよりも低速域では作動しない場合があります。

 また、エアバッグは、クルマが衝撃を感知した場合に、インフレータと呼ばれるガス発生装置を起動して、発生したガスにより瞬時にエアバッグが膨らむ仕組みになっています。

 エアバッグの作動速度は、クルマが衝突して作動開始からエアバッグが収縮するまで、約0.2秒以内といわれています」

※ ※ ※

 また、JAFはエアバッグが展開しない可能性がある場合として、「クルマの一部だけが極端に変形するような衝突」「衝突時に発生した衝撃力が分散されてしまい、エアバッグが開くに値するまでの衝撃がセンサーに伝わってこない場合」といった衝突事例を紹介しています。

これはエアバッグ開く? 事故や衝撃による作動環境を画像で見る

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