あおり運転の知られざる原因!? クルマのデザインが「怒り顔」になった理由とは
最近のクルマのデザインは、怒ったような顔が流行っています。とくにミニバンでは、トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」や「ヴォクシー」などのエアログレードを中心に、怒ったような顔が人気となっていますが、なぜそのようなデザインになったのでしょうか。
ミニバンを中心に「怒り顔」が人気
いまのクルマのフロントマスクを見ると、どれも目を吊り上げたような「怒り顔」が流行りです。最近のクルマは、なぜ怒り顔になったのでしょうか。

怒り顔がもっとも顕著なのは、ミニバンでしょう。トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」「ヴォクシー」などは、エアロパーツを装着したグレードを中心に、怒ったような仮面を被ったような怖い顔立ちです。
これをそのまま小さくしたのが、いま日本で一番売れている背の高い軽自動車です。エアロパーツを装着したグレードは、すべて怒り顔です。
スズキ「スペーシア」の標準ボディは柔和な顔立ちで、アウトドアテイストを取り入れた「スペーシアギア」も丸型ヘッドランプで独特の表情を演出していますが、エアロパーツを備えた「スペーシアカスタム」は怒り顔です。ホンダ「N-BOXカスタム」も、同様の怒った表情です。
コンパクトカーのトヨタ「ヴィッツ」は、1999年に発売された時には、丸みのあるボディに穏やかなフロントマスクを組み合わせました。これが2010年に発売された3代目の現行型で怒り顔になり、数回のマイナーチェンジを経て、いまでフロントグリルが大きい吊り目の怖い顔になっています。
マイナーチェンジで怒り顔に変更すると、ボディ全体の造形バランスが悪化します。変更するのはフロントマスクだけで、ボディサイドには手を加えにくいからです。
現行ヴィッツも発売時点ではフロントマスクとボディサイドが調和していましたが、マイナーチェンジで顔だけ怒った表情を強めたため、比較的オーソドックスなボディサイドとのバランスが悪くなりました。
レクサス「CT」も、マイナーチェンジでフロントマスクをスピンドルグリルに変更したので、バランスが悪化して前側が重く感じます。クルマに限らずデザインでは全体の見え方が大切ですから、フロントマスクだけを変えると無理が生じるのは当然です。
レクサスの商品企画担当者は、怒り顔のデザインについて次のようにいいます。
「レクサスのようなプレミアムカーの場合、ブランドを表現する統一された顔立ちが必要です。そのためにコンパクトなCTから最上級セダンの『LS』まで、フロントマスクは基本的に同じ形状にしています。
またフロントマスクには、視覚的なインパクトも大切です。例えば先行車のルームミラーに自分のクルマが映った時、そのブランドをアピールできることが求められます」


































