旅行時の「白タク」に注意! 悪質ドライバーによる被害が多発する原因とは

営業認可を受けておらず、法外な値段を請求してくる違法なタクシーを「白タク」といいます。海外では日本人も数多く被害にあっているようですが、対策法はあるのでしょうか。

ニューヨーク・上海・香港・韓国…どこにでもいる「白タク」

 日本国内のタクシーは「営業用」の緑ナンバーを付けており、ハンドルを握るのは資格を持ち、正しい教育を受けたドライバーです。これに対して営業用ではない自家用の白ナンバーで違法営業しているタクシーのことを「白タク」といいます。

 海外では多くの日本人が、白タクの被害に遭遇していて注意が必要だというのですが、どのように対策すればよいのでしょうか。

怪しいタクシードライバーから声を駆けられたら要注意(イメージ)
怪しいタクシードライバーから声を駆けられたら要注意(イメージ)

 自家用の白ナンバーを付けて違法営業をしているタクシーのことを白タクといいます。なお、英語では「unlicensed taxi」(無認可タクシー)、「illegal taxi」(違法タクシー)、となり「白タク = white taxi」では意味が通じません。

 日本ではタクシーのシステムや法整備、ドライバーへの教育が世界最高レベルなので、日本人が日本国内で白タクの被害に遭うことは稀ですが、海外ではアメリカやヨーロッパの先進国においても白タク(不正請求含む)が存在します。

 わざと遠回りをされたり、道がわからないふりをされてグルグル回っている間に料金がはね上がったり、過剰なチップを要求されたり、といった手口によって料金を過剰に請求されるパターンがほとんどです。

 もちろん、犯罪に巻き込まれるケースもあります。とくに日本人は狙われているために、被害に逢いやすいといえるでしょう。日本人は英語がわからない、日本人は金持ちでおとなしいから文句をいわない、などと思われていることもあるようです。

 実際にはどのような被害にあうのでしょうか。

●ニューヨーク

 イエローキャブでおなじみのニューヨークにも、違法タクシーはたくさん走っています。筆者(加藤久美子)の知人は、JFK空港からマンハッタンまで通常60ドル前後のところ、なんと350ドルも請求されました。

 初めてのニューヨークひとり旅で空港に降り立って、タクシー乗り場を探しているときに「タクシーを探していますか?」「ご案内しますよ」などといわれて、つい後をついていってしまったそうです。

 片言の日本語で話しかけてくるドライバーも怪しい雰囲気だし、ふと気づくとメーターもなかったそうなのですが、結局怖くていい出せず、いわれた通りの料金を払ったそうです。

●上海

 中国では筆者自身、正規のタクシーと白タクで1回ずつ被害に逢いました。いずれも不正請求ですが、通常50元のところが150元などです。100元=約1600円なのでそれほど大きな被害ではないですが、やはり腹が立ちますね。

 また、上海空港では偽造とおもわれるライセンス証を見せ「空港のタクシー乗り場は非常に混んでいて1時間は待つ。うちのタクシーはすぐに乗れる」などと連れていかれそうになりましたが、やはりこれはおかしいと思い断りました。

 その後に向かった空港の正規タクシー乗り場は待ち時間ゼロでした。

●香港

 香港では、空港からタクシーに乗る際に、事前に乗り場の係員に行き先を告げると大体のタクシー料金が明示された紙を渡されます。このとき、紙はドライバーに渡さないように指示されます。

 利用者が不正請求されないための予防策で素晴らしい、と毎回思っていたのですが、2019年の4月に行った際、なんと不正請求されました。

 乗ってすぐドライバーから「行き先を確認したいからさっきの紙を見せて」といわれ、つい助手席の息子が渡してしまいました。到着したら案の定、50香港ドル位高い請求額になっていました。

「さっきの紙を返して」といっても「そんなもの受け取ってない」とつれなくされ、「領収書をください」と迫っても「機械が壊れていて出せない」などと返され、悔しい思いをしましたが、早くホテルで休みたかったので諦めて払いました。

●韓国

 韓国はタクシー料金が非常に安いので、旅行者の多くはタクシーを利用します。ほとんどはきちんとしたタクシーですが、やはり日本人とみるといい寄って来る白タクドライバーはいます。

 下関から釜山までフェリーで行った際、フェリーを降りてすぐから、怪しい白タクドライバーがたくさん寄ってきました。値段を聞いたら正規タクシーの10倍もの料金を提示されました。

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