“廃墟”感がスゴい!「ホントに営業してる?」名阪国道“謎のサービスエリア”に潜入! 片隅で営む名物「どて焼き」がめちゃ美味すぎた! 昭和レトロな「ドライブイン」を巡る~「伊賀上野SA(下り)/味のお福」編(三重県)~
昭和という時代の“空気感”を色濃く残すドライブインは、ある種のノスタルジーや普段は見過ごしがちな大切なモノを思い出させてくれる気がします。今回は荒廃したSA(サービスエリア)で唯一無二の光を放つ、SNS時代の人気店「味のお福」に立ち寄ってみました。
荒廃したサービスエリアの“世紀末覇者”!?
高度経済成長期のマイカーブームとともに激増したドライブインは、現在ではその役割を「道の駅」やサービスエリアに譲り、全国で200店舗程度にまで減少していると言われています。
その一方、現存するドライブインは、素朴ながらも温かみのある料理や独自のサービスによって、多くのファンから根強く支持されているのです。
奈良・天理市から三重・亀山市へとつながる国道25号バイパス「名阪国道」下りの伊賀上野SA(サービスエリア)にある「味のお福」は、ガチ廃墟なのに幸せな気分になれる“昭和のドライブイン”。
廃墟と化したSAは、ゾンビ映画や往年の名作マンガ「北斗の拳」を連想させますが、同店の営業時間だけは、人々が吸い寄せられるように集まってきます。
自動車専用道路である名阪国道の少々ハイペースなクルマの流れに乗りつつ、油断すると見逃しそうな「伊賀上野SA(下り)」へとピットインしていきます。
近年のSAはスマートでお洒落な印象ですが、ここはまったくの別世界。“廃墟”という噂に誇張はなく、明るい日中でなければ、立ち寄るのを躊躇していたかもしれません。
同店の営業時間は、月曜を除く12時から19時。開店の45分ほど前からぽつりぽつりと人が増えてきて、廃墟と化したSA内を散策したり、スマホで記念撮影したりと、さながら観光地のような雰囲気を醸し出していました。
![廃墟と化したSA!? でも奥のほうでは唯一営業を続ける食堂が…![「伊賀上野SA(下り)/味のお福」(三重県)/Photo:のぐちまさひろ]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2027/02/20260226_Drive-In_IGAUENO-SA_AJI-NO-OFUKU_002.jpg?v=1772082796)
そして、開店30分前になって最初の1人が並び始めると、あれよあれよと行列が作られていき、慌てて並んだ筆者はすでに11番目でした。その後も行列は伸び続け、10分前には30人を超える人、人、人。廃墟とのギャップが、さらに鮮明になっていきます。
固く閉ざされていたシャッターは、お昼12時になっても微動だにせず、「腹減ったー」と叫ぶお腹とともにヤキモキしていたところ、その5分後に威勢よく開放されていきました。
店内はシケインのようにカクカクと曲がるカウンターで構成され、左奥の席から順序よく案内されていきます。
また、お客さん同士の“パーソナルスペース”を最適化するため、「ちょっと左に寄ってね」などと、イスの配置にも細やかな指示が飛んできました。
とはいえ、あくまで穏やかな声掛けなので、不快感は微塵もありません。
店内の壁には、某ラーメン店を想わせる黄色のボードに、名物の「どて焼き定食(中めし/1500円)」をはじめとした様々なメニューが掲げられています。
そこには、「どてうどん(800円)」や「みそうどん(600円)」、1ネタ120円~の「おでん」なども記載されているのですが、「どて焼き定食」以外を頼む人は皆無というか、店側も想定していない様子です。
実際、左奥から順番に聞こえてきたオーダーの声は、「ちゅー(中)」「ちゅー」「ちゅー」とゴハンの大きさを示すものだけで、たまに「だい(大)」というパワフルな声が混じるだけでした。
ちなみに「どて焼き」とは、牛すじを濃厚な味噌などで煮込んだ郷土料理のことで、ゴハンが進むこと間違いなしの“王道B級グルメ”です。
まずは豚汁、続いて予想よりもテンコ盛りだったゴハン+お新香が着丼。本当はオーダー時に「しょう(小)」と言いたかったのですが、「ちゅー」「ちゅー」「ちゅー」と来た流れに抗えなかった結果なので致し方ありません。
そして、メインの「どて焼き」が着丼したところで戦闘開始。
どて焼きに馴染みがなかった筆者(のぐち まさひろ)でしたが、一口食べた瞬間に「こ、これは病みつきになる味だ……」と納得。トロットロになった牛すじと沁み込んだ味噌やみりんの味わいが、ごはんをみるみると減らしていきます。
途中、満腹感に襲われそうになった時には、卓上の七味唐辛子を振りかけて再ブーストをかけます。
ちなみにオーダー時に声掛けすれば、「ねぎ増し」「カラシ」といった無料トッピングが付けられるようです。筆者は終盤戦、“つゆだく”の牛丼風にアレンジして、流し込むようになんとか完食しました。
カウンター越しの支払いは「現金のみ」。べらぼうに美味しかったものの、正直なところ1500円は少しお高めで、いわゆる“観光地価格”かもしれません。
とはいえ、廃墟の中でいただく希少性やエンターテイメント性、SA自体が取り壊される可能性までを含めれば、むしろ十分すぎる満足感が得られるほどでしょう。
激動の時代を駆けぬけ、SNSの波に乗って最盛期を迎えている「味のお福」は、荒廃したサービスエリアの“世紀末覇者”と言えるかもしれません。
※ ※ ※
■味のお福
所在地/三重県伊賀市上之庄3401-3 名阪国道 伊賀上野SA(下り)
営業時間/12:00~19:00
定休日/月曜
Writer: のぐち まさひろ
ゴルフとサウナと愛犬のチョコをこよなく愛するライター&ディレクター。20年ほど従事したクルマ系メディアの編集者からフリーランスになり、これから何をしていこうか色々と妄想中。SAJスキー検定1級/国内A級ライセンス/小型船舶2級/サウナスパ健康アドバイザー所持。ホームコースは「南総カントリークラブ」で、直近1年間のハンデ推移は「7.7」→「8.6」→「7.1」→「5.6」。




















































