誕生から17年、高価格でも売れ続けるトヨタ「アルファード」人気の理由とは

ライバル不在!? アルファードが独自のポジションを確立するまで

高級ミニバンとしての立ち位置を確立したアルファード
高級ミニバンとしての立ち位置を確立したアルファード

●2代目アルファード(2008年発売)

 2008年にフルモデルチェンジがおこなわれ、2代目モデルになったアルファード。月間販売台数目標は3000台に設定されて販売が始まりました。

 このモデルより車名の後ろについていたアルファベット表記が外れます。先代のアルファードVは「ヴェルファイア」と改称されたことにより、アルファードとは別路線を歩むこととなります。

 その違いは外装で顕著に現れており、押し出しが強い雰囲気を感じさせるヴェルファイアに対し、アルファードはより高級感を強調したイメージを初代モデルから継承。フロントマスクも、それぞれ専用のデザインを採用することで差別化を図りました。

 パワートレインには、2.4リッター直列4気筒エンジンと3.5リッターV型6気筒エンジンの2種類を揃え、駆動方式には引き続きFFと4WDが用意されました。

 また、2代目モデルの登場時にハイブリッド仕様は一旦姿を消したものの、2011年に再び追加設定され、こちらも人気を博しました。

 2代目モデルの販売台数は、2008年から3代目登場までの2014年まで、年間販売台数ランキングトップ30にランクインする成績を記録しています(2011年を除く)。モデル末期の2014年にも、約2万6000台を販売しました。

 やはりライバル車であるエルグランドとは大きな差をつけ、日本における高級ミニバンとしての地位を奪取することに成功しました。

●3代目アルファード(2015年発売)

 現行モデルである3代目アルファードは、姉妹車であるヴェルファイアと同じ2015年に販売を開始しました。「大空間高級サルーン」をコンセプトに開発がおこなわれ、それまでのミニバンの枠にとどまらない高級車としての新しい位置づけがなされました。

 外装ではメッキを多用した大型フロントグリルが存在感を演出しており、さらに内装の木目調を採用したインパネとクリーム色を基調とする車内はゆったりとした落ち着きのある空間を演出することに成功しています(ブラックを基調とした内装色の設定も存在)。

 パワートレインには、2.5リッター直列4気筒エンジンと3.5リッターV型6気筒エンジンが用意されています。また3代目では登場直後からハイブリッド仕様の設定がありました。駆動方式にはFFと4WDのふたつのバリエーションがあります。

 装備面では、世界初の機能を備えたパノラミックビューモニター、インテリジェントクリアランスソナー、インテリジェントパーキングアシストといった最新技術の設定があり、見た目の高級感のみならず技術面での向上も図られました。

 販売面も好調であり、フルモデルチェンジがおこなわれた2015年は約4万4000台を売り上げ、その後2018年には約5万9000台を記録しています。

 アルファードは、それまで多人数で移動することが主な目的だったミニバンに、高級感という価値を加えて独自の立ち位置を確立したモデルといえます。迫力あるフロントマスクであるゆえ、街で見かけても印象に残りやすいクルマです。

 アルファードの外装デザインについて、トヨタの販売店スタッフは次のように話します。

「アルファードおよびヴェルファイアは、フロントのデザインをメッキ加飾し、水平基調とするデザインになっています。

 このようなデザインが、20代から40代と幅広いユーザーに好評です。また、一部には、クルマのデザインに個性を求める方もいますので、そのようなニーズにもマッチしているのだと思います」

 ※ ※ ※

 初代販売開始から17年、かつてのライバル車であったエルグランドが販売面でくすぶるなか、いまやアルファードは高級ミニバンの象徴ともいえるクルマへと成長を遂げました。
 
 高級感があるだけでなく、愛車に個性の強さを求める需要が強いことが、高価格帯のクルマであるにも関わらず、高い人気を博す理由になっているといえるでしょう。

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1件のコメント

  1. FFにV6で落第、登録台数と販売を結びつけるのは愚かな過ち

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