初代は先進的すぎて不人気だった? トヨタ「プリウス」が世界的な大ヒット車になった理由
1997年に世界初の量産ハイブリッド車として登場したトヨタ「プリウス」は、全世界で400万台以上を販売する大ヒットモデルになりました。いまでは新車販売ランキングで常に上位に位置するプリウスですが、初代モデルの発売当時はあまり人気がなかったといいます。なぜここまでの人気車になったのでしょうか。
日本では3代目プリウスが大ヒット
トヨタのハイブリッドカー「プリウス」の販売が好調です。
日本自動車販売協会連合会が発表した2019年1月から6月の「乗用車ブランド通称名別順位」を見ると、プリウスの販売は7万277台で、2位の日産「ノート」(6万8543台)、3位のトヨタ「アクア」(6万349台)を抑えて、トップになっています。
半年単位で集計したときのトップ獲得は2017年4月から9月の期間以来なので、約1年半ぶりということになります。
トップを奪取した理由は、2018年12月のマイナーチェンジで、アグレッシブなライト周りのデザインをオーソドックスなものに変更したのが功を奏したのでしょう。また、ライバルであるノートやアクアに、これといった大きなテコ入れがなかったのもひとつの要因といえそうです。
1997年に世界初の量産ハイブリッド車としてデビューしたプリウスですが、初めから人気があったわけではありません。いまでは販売ランキングのトップに輝くほどになりましたが、なぜ人気モデルになったのでしょうか。
プリウスの累計販売台数は、日本では192万1000台、世界では418万7100台を記録しています。これは2017年時点での販売台数なので、現時点ではもっと多くのプリウスが販売されていることになりますが、初代モデルの誕生から22年で、偉大な記録を達成したといえるでしょう。
日本でプリウスが大人気になるのは、2009年に3代目モデルが発売されてからです。
1997年に登場した初代モデルと、2003年にフルモデルチェンジした2代目はヒットしませんでした。しかし、3代目モデルがデビューしたときにエコカー減税&補助金が導入され、世をあげて“エコカー”を応援する雰囲気に染まり、エコカーの代名詞的存在であったプリウスに大きな追い風が吹いたのです。
ここで初めて、プリウスは、トヨタ「カローラ」やホンダ「フィット」といった販売上位の常連を抜きます。
そして、2009年から2012年の年間首位を維持。2015年のフルモデルチェンジで第4世代となったモデルは、2016年から2017年も首位獲得し、2018年12月にマイナーチェンジを実施して、2019年の前半もトップとなりました。
現在のプリウスは、プラグインハイブリッドの「プリウスPHV」と、3列シートを用意する「プリウスα」という派生モデルが存在します。
プリウスシリーズは、日本を代表するベストセラーカーとしての地位を獲得したといえるでしょう。
代々で性能の進化を語るのは間違い製品としては初代プリウスこそが本当の製品