1000万円の公用車導入をどう釈明する? ゴミ処理場で市川市が行った会見内容とは
ゴミ処理場で会見をおこなった理由とは
次に村越市長が説明したのが、なぜ市川市クリーンセンターを会見場所に選んだか、ということです。
その理由は、公用車としてのテスラ車導入が、市川市の環境政策の一環であることを強調したかったから、ということです。
市川市クリーンセンターは、ゴミを中間処理する施設として1994年に建設費250億円をかけて開設されましたが、焼却炉の老朽化が進み、近い将来に建て替えが必要です。
新設の費用には新たに250億円を見込み、市としては30億円の基金を積み立ててきました。ところが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの影響などで、昨今は建築資材や人件費が高騰し、現状での試算は400億円近くになります。
こうした費用を圧縮するための方法として、ゴミの収集回数を減らすなど、市民に向けたゴミを減らす運動を進めると同時に、生ゴミからのバイオ発電をおこなうなど、新しい技術の導入を検討しているそうです。
バイオ発電によって、最終的に新設するクリーンセンターの焼却炉を小さくすることで、全体の経費を少なくすることが可能となり、さらにバイオ発電を公用車のテスラ車を含めた電気自動車に活用する循環型社会を目指すとしています。
こうした社会のあり方を肌感覚でメディアに理解してほしいと考えた結果、極めて稀な記者会見の場となったのです。
気になるゴミの臭いですが、もちろんそれなりにありましたが、1時間の会見中に筆者を含めた取材陣が顔をしかめるほどの異臭ではなかったと思います。
また、テスラ車導入の意図としては当然、市川市が目指す新しい街づくり政策のひとつである「いちかわ未来創造会議」にも深く関係します。「テスラは同会議の正式な一員です」とのことで、今後は市内への充電インフラ整備をテスラ主導でおこなうなど、テスラと市川市との連携が具体化していくとのことです。
市川市のテスラ騒動。今後は、市川市から概算でも構わないので、数値目標を明確化したEV政策の説明が求められます。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
市長はリ-ス車との差額を負担すると云うが市長報酬は税金であり手取りは少なくなるが無駄に国民の税金を使うことに変わりはない。国からの交付金をカットする。
これで納得できる訳がない.いちかわ未来創造会議の会員にテスラの名前は無いが,どの様な形で協力していくのか.インフラも含めた公共政策の検討について,何故電気自動車普及協会等の国内行政,企業が参加,一定のノウハウを持つ団体との協力関係構築を検討せずに,テスラを選ぶのか(テスラも上記会員だが).既に導入事例もある日産(勿論上記会員)のリーフでも良い訳で(「高い」から話題になるのではなく,「導入事例に乏しい高級車」だから話題になっている訳で),あえてテスラを選ぶ理由が分からない.
何度も言うが,「何故テスラなのか」がこれでは全く説明されていないし,これで納得できる筈がない.穿った見方をすると,電通の入れ知恵で,「宣伝広告費と考えれば安いもの」という推測は成り立つけど,公共事業は実効性が大事(特に堅実さ)なので,既に実績のある企業を選ばずテスラを選択するのは不合理としか言いようがない.