クルマの売却時に車両へ残った個人情報はどうなるのか?
クルマには、所有者や使用者が特定できる名前や住所が書かれた書類がたくさん付きまといます。売却時にはこれらの書類を販売先に渡しますが、ほかにも行動を記録するカーナビなど、クルマはまさに個人情報の塊です。このさまざまな個人情報は売却後、どのように処理されるのでしょうか。
クルマには個人情報がいっぱい
クルマを手放す際に必要な書類には、どのようなものがあるのでしょうか。
自動車買取店などで一般的に要求される書類は、車検証、自賠責保険証明書、納税証明書、印鑑証明登録証明書、自動車リサイクル券、委任状などです。
さらに、必須条件ではありませんが、中古車に添付することで価値が上がることもある記録簿(整備の控え)にも、使用者の名前やナンバーが書かれていることも多く、こちらも個人情報の塊となっています。
ちなみに、渡す必要がないのに渡してしまいがちな個人情報書類としては、納税証明書に付いた自動車税の領収書や車庫証明の控え、任意保険の控えなどがあるので、クルマを売却するときには注意が必要です。
また、カーナビにメモリーした自宅の場所や走行履歴が残っていれば、個人の嗜好まで流出しかねません。
売却時に渡す書類のなかで、車検証、印鑑証明書、委任状は次のオーナーの名義にする際に運輸局や軽自動車検査協会で回収されますので、中古車販売店の仲介であれば次のオーナーの目にふれることはありません。
また、次回車検に必要な納税証明書は領収書と切り離せして渡せば、ナンバープレートやクルマのシリアル番号という必要最小限の情報のみとなり所有者名は残りません。
自賠責保険も、保険の期限が残っていれば名義変更が必要となるので、前オーナーの個人情報は次のオーナーに渡ってしまいますが、保険が切れていれば不要。
そうなると、個人情報が残るのは、契約期間が残っている自賠責保険と記録簿、そしてカーナビなど備え付け機器のデータということになります。
クルマを売却する時の個人情報の保護については、業界で統一された決まりはありません。しかし、中古車販売店や買い取り店では、独自に規定を設けて実践しているところが多々あるのです。
そこで、一定の品質が保証されたメーカー認定中古車を扱う大手自動車メーカー系中古車販売店に話を聞いてみました。
──個人情報の取り扱いについて、ルールなどはありますか。
コンプライアンスの観点から、メーカー独自のガイドラインがあります。
前のオーナーの名前が書かれている自賠責保険は前オーナーの名義のままでも有効ですが、当社で必ず名義変更してからお客様に渡しています。
記録簿についても同様で、情報は保存していますが、書類そのものは廃棄しています。
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