「TURBO」の文字が反転しているのがカッコイイ! 昭和のクルマあるある5選
昭和のクルマでは当たり前だったようなことが、いまではほとんど見られなくなった事例は意外と多いです。そこで、昭和のクルマにあったモノや事柄を5つピックアップして紹介します。
昭和のクルマにあって、いまはなくなったもの5選
日本の自動車製造は大正時代にはじまり、昭和で飛躍的に生産台数を伸ばし、平成であらゆる性能が目覚ましく進化して、いま令和を迎えています。
100年以上のクルマづくりの歴史のなかでは、生まれたモノもあれば消えていったモノもあります。そこで、昭和のころのクルマにあって、いまは消えてしまったモノや事柄を5つピックアップして紹介します。
●バンパーに付いていた「オーバーライダー」
いまのクルマのバンパーは、すべて樹脂製ですが、かつては鉄製のバンパーでした。
フランスなどでは路上駐車する際や駐車状態から出発する際に、バンパーでほかのクルマを押して駐車スペースを空けるのが日常風景ですが、鉄製のバンパーでは取り付け位置によっては、ボディやフロントグリルが傷ついたり破損することがあります。
そこで考え出されたのが「オーバーライダー」と呼ばれる部品です。
通常、オーバーライダーはバンパーの2か所にバンパーに対して垂直に取り付ける「サブバンパー」状のもので、多少の高さに違いがあってもバンパー同士が当たるようになります。
日本では、ほかのクルマのバンパーを押すような行為はしませんでしたが、ドレスアップ用としてオーバーライダーが流行します。純正装着されたり、後から取り付ける部品として販売されたほどです。
材質も鉄製のものや、ゴム製のものがありました。
その後、鉄製バンパーの外周にゴムが取り付けられるようになり、さらに樹脂製バンパーが登場すると、オーバーライダーは廃れてしまいました。
●ハザードのスイッチはハンドルの奥だった
やむをえず路上駐車しなければならない時や、クルマがけん引されるときなど、後続のドライバーに危険を知らせるためのものが「ハザードランプ(以下ハザード)」です。
高速道路などで渋滞の最後尾になる時や、駐車場にバックで停める時にハザードを使うこともあります。
近年のクルマでは、ハザードスイッチはインパネやセンターコンソールの手が届きやすい位置に付いていますが、昔はハンドルの奥のコラム上に設置されているのが普通でした。
つまり、走りながらハザードを点灯させようとしたら、手をハンドルの中に入れる必要があり、いまなら危険な行為のようにも思えてしまいます。
そもそも、走りながらスイッチを操作することを想定していなかったのかもしれません。ただし、車種によってはインパネにスイッチが設置されていました。
ちなみに、ハザードスイッチは「パーキングランプ(駐車灯)」のスイッチも兼ねていることが多かったです。パーキングランプは、いまの国産車では見られませんが、文字通り夜間の駐車時にスモールランプとテールランプのみを点灯させるというものでした。
●エンジン始動時には「チョークレバー」を引いていた
いまのクルマでエンジンを始動するにはスタートボタンを押すか鍵をひねるだけで、セルモーターが回り簡単にエンジンが掛かります。
ところが、昔のクルマはセルモーターを回す前に、ひとつ作業がありました。それは「チョークレバー」を引くという行為です。
ガソリンエンジンの場合、いまのクルマは燃料の調整が電子制御化されていますが、以前は「キャブレター」という機械で制御していました。
キャブレターはエンジンが吸い込む空気の流れを利用して、燃料を霧状にしながら空気と燃料の混ざった「混合気」を作る装置です。
混合気に含まれる燃料は気体となって(気化)エンジンに吸い込まれますが、エンジンが冷えている時は気化しづらく、エンジンの始動ができなくなることがあり、とくに冬はその症状が顕著でした。
そこで、チョークレバーを操作することでキャブレターの空気の通り道を狭くし、一時的に燃料の濃い混合気を作って、気化する燃料を増やすことでエンジンの始動性をよくするのです。
エンジンが温まるとチョークレバーを手で戻す必要がありましたが、自動で戻る機能が追加され、さらに完全に自動化した「オートチョーク」も登場しました。
じつは、いまのクルマも同じように自動で燃料が濃い混合気を作って始動性をよくしています。冷えているエンジンを始動すると、しばらくはアイドリングの回転数が上がるのは、そのためです。
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