「TURBO」の文字が反転しているのがカッコイイ! 昭和のクルマあるある5選

反転「TURBO」ステッカーは憧れだった

●エアコンは後付がお得だった

3代目「スカイライン」のセンターコンソール横に装着されている「クーラー」のスイッチ

 一部の商用車を除くと、現在販売されているクルマはエアコンを標準装備しています。しかし、昭和のころは標準装備されていないのが大多数で、ディーラーオプションの扱いでした。

 しかも、新車を購入する際は、納車の後にエアコンを取り付けた方がお得だったのです。

 1989年(平成元年)に消費税が導入されましたが、それ以前は物品税がクルマに掛かっていました。税率は5ナンバー車で18.5%、3ナンバー車は23%と高額でした。

 物品税は別名「贅沢税」とも呼ばれ、いまの消費税と違い出荷時に課税されていましたので、小売価格に含まれていました。

 新車時にエアコンを装着すると、エアコンにも物品税18.5%(一律)が掛かってしまい、おおよそ3万円前後余計に支払わなければなりませんでした。

 しかし、納車後にエアコンを取り付けるとなぜか物品税は掛からず、この分が浮くことになります。いま思うと、おかしな税制に見えますが、これが昭和の常識でした。

●「TURBO」の文字を反転したステッカーをフロントに貼っていた

ルームミラーに映ることを前提に反転させた「TURBO」のステッカー

 国産乗用車にターボチャージャー(以下ターボ)が初めて装着されたのは、1979年に発売された日産「セドリック/グロリア」でした。2リッターエンジンに装着することで、2.4リッターから2.8リッターの自然吸気エンジンに相当するパワーを発揮しました。

 なぜスポーティなクルマではなく、セダンのセドリック/グロリアが初のターボ車だったのかというと、諸説ありますが、当時の運輸省の認可をもらうために、ターボはパワーアップのためではなく燃費や経済性が目的だから、おとなしめなセダンからとしたようです。

 その後はスポーティなクルマにも順次ターボが装着され、各社パワーを競うようになります。そして、ターボが装着されていることをアピールするために、リアのみならずフロントにも「TURBO」のエンブレムが装着されるクルマも現れました。

 さらに「TURBO」の文字を反転(鏡文字)にしたステッカーを、フロントバンパーやフロントスポイラーに貼るのが流行ります。

 これは前走車のルームミラーに後続車が映った時に、前走車のドライバーが「TURBO」の文字が正しく見えるという演出でした。

 もともとこの反転「TURBO」ステッカーは欧州車が始まりで「ターボ装着車だから追いつかれたらどきなさい」という意味で、高性能なことをアピールする目的だったようです。

 なお、当時はメーカー純正だけでなく、カー用品店でもステッカーが販売されており、ドレスアップにも使われました。

※ ※ ※

 昭和が終わってもう30年以上経ちますが、クルマの進化は目覚ましいものがあります。なかでも安全性能と環境性能の向上は30年前ではだれもが想像できなかったほどです。

 今回紹介したものはもう見られませんが、次の30年後には、いまを振り返って懐かしむのかもしれません。

【了】

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Writer: くるまのニュース編集部

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