事故原因は人かクルマか… 池袋の暴走事故もデータで解析? 車両に組み込まれる「EDR」とは
池袋の暴走事故、加害者は今でも「ブレーキ踏んだのに効かなかった」と自分のミスを認めていません。警察も事故直後はメディアに対し、「クルマのトラブル」を示唆していました(アクセルが戻らなかった、という警察しか知らない加害者の供述が報道された)。しかし、いまや警察は「車両側に問題無い」という姿勢。なぜ警察の考えは変わったのでしょうか?
事故の原因究明に役立つ「EDR」その中身とは
池袋の事故、加害者車両(プリウス)に、事故時の運転データが残っていたからです。

交通事故の原因究明に役立っているのが、最近話題になっている『EDR』(イベント・データ・レコーダー)です。大きな衝撃やエアバッグ展開となるような事故に遭遇すると、その時のデータを記録しておくという機能で、今回加害者が乗っていた2007年登録の2代目「プリウス」もEDR機能を持ちます。警察はデータ解析したということです。
もう少し具体的に紹介しましょう。2代目プリウスに組み込まれているEDRの場合、後述する「検査機器をOBD2端子に差し込めば、多岐に渡るデータが5分もあれば取り出せる最新のタイプ」ほどの機能こそ持っていないものの、事故直前の2秒程度ならアクセルを踏んでいたかブレーキを踏んでいたか、といった概要が残っているといいます。
今回警察はそのデータを取り出した、ということ。具体的に書くと、衝突直前の状況を解析。すると「アクセルが踏まれており、ブレーキは踏まれていなかった」という結果が出たのでしょう。
同時にドライブレコーダーもチェックし、加速していたという判断をしたと考えられます。2つの具体的な証拠から「クルマに問題無かった」という結論を出したに違いありません。
ちなみにプリウスに限っていえば、初代から簡易ながらEDR機能を採用しています。
さらにプリウスであれば2008年発売の3代目から、トヨタ車全般で言うと2012年以降の新型車から、「%」で表示されるアクセル開度、ブレーキ踏力、速度、衝突した時の減速G、ハンドル切った方向と横方向のGを、衝突の5秒前に遡りデータが引き出せるとのことです。
また、千葉県市原市で公園内まで突っ込んだ現行プリウスは、新世代のEDRが搭載されているため『CDR』(クラッシュ・データ・リトリーバル)という診断装置をドライバーの足元に付いている点検用のOBD2端子に差し込めば、その場でアクセルを踏んでいたか、ブレーキを踏んでいたかのデータを取り出せたと思います。
それにもかかわらず、市原の事故の場合も警察は当初、「ブレーキを踏んだら急発進した」と記者発表しました。


















