最速をかけた熱き戦い!「湾岸Midnight」に登場するクルマ5選【其の1】

永遠のライバルとヒロインのクルマはあまりにも有名な存在

ポルシェ 911ターボ(930)

ポルシェ 911ターボ(930)

 主人公アキオのライバルとして、作中ではメインキャラクターの一人として登場する「島 達也」が駆るマシンは、漆黒のポルシェ「911ターボ(930ののち964に乗り換えます)」、通称「ブラックバード」です。

 作中では、「湾岸の帝王」として君臨していたブラックバード(ブラックバードは島 達也の愛称でもある)は、アキオと走っていくうちに不思議な信頼関係を徐々に築いていきます。当初は通常のモノコックボディだったブラックバードですが、物語が進むにつれチューンナップは加速し、最終的にモノコックフレームの前後を切り落とし、パイプフレーム化。外装にはカーボンファイバーを使用して、大幅な軽量化を施します。

 作中初期のベース車両であったポルシェ 911ターボ(930)は、1976年に日本で発売されました。3リッター水平対向空冷エンジンは、245馬力、35kgmのトルクを発生。大パワーを受け止める太いリアタイヤに対応するため、全幅1775mmまで広げられたフェンダーを備えます。

 トランスミッションは4速のMTで、ポルシェでは「ありあまるパワーには4速で充分」と説明していましたが、「シンクロトランスミッションの許容量がターボのトルクとパワーに耐え切れず破損する恐れがあったため、やむなく4速にした」というのが通説のようです。当時は豪華な高性能スポーツカーであったため非常に高価でしたが、販売は好調でした。

 島 達也の名言である「湾岸だけは違う ここだけは飛び切りだ」「カンタンですヨ 全部つぎ混んでるからですヨ」の言葉から分かる通り、主人公のアキオと並んでクルマへの思いは相当なものです。島 達也は医者なので収入はそれなりに多いはずですが、それを全部クルマにつぎ込むとはある意味狂人と言えるのかもしれません。

日産 スカイラインGT-R(R32)

日産 スカイラインGT-R(R32)

 本作のヒロインである「秋川 零奈」の愛車は、BNR32型のスカイラインGT-Rです。NISMO T25タービンツインターボ仕様で、約600馬力を発生させます。連載初期のボディカラーはガングレーメタリックでしたが、途中でチューニングショップの社長の独断でクリスタルホワイトに塗りなおされ、後にヤマモトスピードの白い32R」や「Rのヴィーナス」として有名になります。

 ベースとなったスカイラインGT-R (BNR32)は、1989年に発売されました。先代スカイラインGT-RであるKPGC110の生産終了から、実に16年ぶりのGT-R復活となったモデルです。

 搭載されたエンジンは、名機として名高い直列6気筒ツインターボエンジン、RB26DETTです。モータースポーツ参戦を前提に開発されたこのエンジンは、最高出力280馬力と36kgmを発生。

 トランスミッションは5速MTのみの設定で、駆動はトルク可変型の4WDシステム、「アテーサ E-TS」で武装しています。当時の日産の持てる技術を全てつぎ込んで開発したスカイラインGT-Rは、まさに「反則級」の速さを誇りました。

 レースで勝つことを前提に生まれたスカイラインGT−Rは、レース投入初戦で優勝を飾り、圧倒的なパフォーマンスを披露します。その勢いは留まることを知らず、前代未聞のレース29連勝を達成。 そして1991年にはグループNの優勝に加え、グループAでゼクセル・スカイラインが2位以下を20周も引き離して独走状態で総合優勝を果たします。

 2019年で誕生からちょうど30年が経ちましたが、速さだけでいえば今でも一級品の性能を誇ります。一時期は日本でも購入しやすい価格まで値段が落ちましたが、海外での需要が高まった今では30年前のクルマとは思えないほど高価格で取引されています。

 これからさらに海外への輸出が増え、日本国内にある台数は減っていく傾向です。伝説のGT-Rが欲しい人は今のうちに買っておいた方が良さそうです。

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