クルマを日常的に運転する人のなかには、体調不良のときや持病によって薬を服用することがあるでしょう。市販薬の注意事項には、『服用時の運転について』というような記載があることも。薬の服用は、実際の運転にはどのような影響を及ぼすのでしょうか。

　ドラッグストアや薬局で、市販薬や処方薬を購入する際に『クルマの運転有無』に関して聞かれることがあります。これは、服用する薬の種類によって、運転操作に支障をきたす場合があるからです。

　クルマの運転に影響を及ぼす薬が処方されるときは、病院であれば医師などから説明を受けるほか、薬局で薬剤師から同様の『服用時の影響』について注意換気がなされます。

　これは、道路交通法の『過労運転等の禁止』という項目に違反する可能性があるからです。過労運転等の禁止とは「何人も、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない（一部略）」というものです。

　過去には、お笑い芸人が薬の副作用が元で交通事故に至ったケースが報告されています。では、どのような影響があるのでしょうか。都内の薬局に勤務する薬剤師は次のように説明します。

「服用する薬によって影響はさまざまです。たとえば、眠気や意識障害などの副作用がある場合、服用後に運転をすれば正常な状態ではないために事故を起こす可能性があります。

　また、医師や薬剤師の説明直後は『服用時の影響』を覚えていますが、定期的な処方や風邪を引いた突発的な薬の服用では、その注意事項を忘れがちです。

　そのため、クルマを運転することが分かっているのであれば、処方箋の説明欄や市販薬のパッケージなどの『クルマの運転操作』に関する記載を確認し、服用後の運転を控えるようにしてください」