先行したはずが世界に遅れ… なぜ日本でEVは普及しない? 充電インフラ増加でも認知度が高まらない理由とは

街中や高速上のSA・PAで見かける機会の増えたクルマの充電設備。インフラが徐々に整備されつつありますが、肝心の電気自動車自体はあまり普及していないようです。なぜ、日本では普及が進まないのでしょうか。

日産「リーフ e+」の登場でEV車普及なるか

 国産車のなかで、電気自動車(EV)の代名詞といえば、日産の「リーフ」があります。現行モデルの「リーフ」は、2017年10月に登場。2019年1月には「e+」という上級モデルが新たに設定されています。

国産EV車の代名詞的存在の日産「リーフ」

 追加された「e+」の特徴は、航続距離の大幅な拡大です。ベースモデルが満充電で最大322km(WLTCモード)を走行できるのに対して、「e+」では40%向上した458km(WLTCモード)を実現しました。

 高性能化された日産「リーフ e+」なら、通勤から週末の遠出のレジャーまで、ガソリン車やディーゼル車、そしてハイブリッド車と同じように、なんの不安もなく使えそうな気になります。

 しかし、日本の自動車市場全体を見てみると、EVはまだまだマイナーな存在です。「リーフ」は、初代が発売された2010年12月から2019年1月までの約9年間に販売された台数は、累計11万8000台に過ぎません。

 日本で2018年に最も売れたクルマ、ホンダ「N-BOX」シリーズは年間24万台を超えています。「リーフ」が性能アップしても、日本でなかなかEV車がメジャーな存在にならない理由はどこにあるのでしょうか。

 新たに追加された「リーフ e+」を担当する日産EV事業部の関係者は、日本でEVがなかなか流行らない理由について、次のように答えました。

「EVの車両価格が従来のガソリン車にまだ対抗できていないこと。また(ユーザー側の)EVの技術に対する(航続距離を含む)信頼性。そして、充電方法が面倒だというイメージがあるのではと思います」

 航続距離については、「リーフ e+」のようにガソリン車並みに走れるようになりました。今後は、電池の研究開発がさらに進み、バッテリー容量をさほど大きくしなくても、航続距離を伸ばすことが可能になるはずです。

 充電インフラでは、街中や高速道路などにさまざまな場所に設置され、全国に約3万基まで増加。EVと充電器は“鶏と卵”の関係をいわれるように、双方が増えていくことで相乗効果が生まれ、さらに充電器が増えることで、EVの販売台数も増えると予想できます。

 また、急速充電も将来的には大出力化される可能性が高く、そうなると充電時間が大幅に短縮される可能性があります。そして、新車価格は「リーフ」の場合、バッテリー容量40kwhでのエントリーモデルが324万円、そして「e+」は416万円とやや高い印象ですが、これらも販売台数が増えることでの量産効果で今後、価格が下がるはずです。

じわじわと国内EV普及も…ヒットなるか日産「リーフe+」の詳細を画像で見る

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