販売好調アルファロメオの次なる一手はディーゼル車導入 「ステルヴィオ」と「ジュリア」に搭載
ディーゼルと近しい関係のアルファロメオ
そのアルファロメオにディーゼルモデルが追加されました。日本ではアルファロメオにディーゼルエンジンというイメージは低いかもしれません。
しかし、アルファロメオエンジン技術部門代表のパオロ・パロッティ氏は、「アルファロメオはコモンレールディーゼルエンジンの草分け的存在です。業界初のコモンレールディーゼルエンジンはアルファロメオ「156JTD」に1997年に乗用車として初めて搭載されました。これは最初のルドルフ・ディーゼルが発明したディーゼルエンジンからちょうど100年目のことです」と話し、実は強い関係性があることを明かします。このシステムは、1990年代に当時のフィアットグループが開発し、その後サプライヤーのボッシュに売却されました。
さて、今回導入される新型2.2リッターディーゼルエンジンは「ジュリア」と「ステルヴィオ」に搭載されます。販売価格ですが、「ジュリア」はスーパーグレードで556万円(543万円)。「ステルヴィオ」はQ4として617万円からとなっており、スタンダードグレードの655万円よりも安い値付けがなされました。
メイングレードとなるかもしれない「ステルヴィオ」のディーゼル
ではなぜFCAジャパンがこの時期にアルファロメオにディーゼルを追加したのでしょうか。
この背景には2018年の販売実績があります。つまり、まだ伸び代がある市場に対し、アルファロメオとしての選択肢を持たせようと考えたわけです。
FCA ジャパン マーケティング本部 プロダクトマネージャーの平野智氏は次のように説明してくれました。
「『ステルヴィオ』が属する輸入車SUV市場は、およそ50%がディーゼルです。2018年に『ステルヴィオ』を導入した我々としては、このディーゼルに(台数増加の)チャンスがあると考えたのです」。そうすると、このディーゼルモデルが『ステルヴィオ』の主要モデルになりそうにも思えます。平野さんも、「その可能性はあると思います。アルファロメオのキャラクターからすると、エンジンを回せるガソリンエンジンの方がマッチすると思われるでしょう。しかし、ディーゼルでも十分にアルファロメオらしさが出せますし、価格的にもガソリンエンジンよりもアドバンテージがあり、そこにプラスして減税などがありますので、かなりの割合になる可能性は十分あるでしょう」とのことです。
また、ユーザー層については、「我々はドライビングする楽しさを重要視し、訴求していますので、そこに加えて経済性や航続距離を重視するお客様がターゲットになるでしょう」と説明します。「0から100km/hを純粋に比較すると、ガソリンが有利なところもあるでしょう。しかし、実際にストップ&ゴーが多いところや、高速道路を低回転で淡々と走るといったシチュエーションではディーゼルの恩恵は非常に大きいと思っています」と述べました。