激レアだけじゃなくロングセラーも 初代のみで消えたクルマ5選

初代が発売され、フルモデルチェンジすることなく販売を終えてしまうクルマがあります。最初から1代限りの限定車として販売されたものもあれば、決して短命ではなかったクルマも存在します。今回は、そんな1代限りで消えてしまった国産車5車種を紹介する記事の第2弾になります。

2列6人乗りやデザインで勝負したクルマ

●ホンダ「エディックス」

斬新な企画で作られたものの販売は成功とは行かなかった「エディックス」

 かつて、日産「セドリック/グロリア」やトヨタ「クラウン」などのセダン、ワゴンにおいて、フロントシートが左右一体となったベンチシートを採用し、前に3人並んで座れ、乗車定員が6人乗りできた時代がありました。

 いまもトラックやバンにもフロントに3人乗れるクルマがありますが、乗用車ではなくなってしまいました。

 しかし、かつてフロントに3人乗れて、しかも6つの独立したシートを持つクルマがありました。それが2004年に発売されたホンダ「エディックス」です。

「エディックス」は「シビック」のシャシをベースに全幅を1795mmまで広げたワゴンタイプのクルマです。前に3つ、後ろに3つの独立したシートを備え、6名乗車として、3列シートのミニバンよりもコンパクトに収めているのがアピールポイントでした。

 しかし、使い勝手においてミニバンほどよくなく、販売は低迷。実際に大人6人が乗るのは、体格にもよりますが決して快適とはいえませんでした。

 2度ほどマイナーチェンジはしたものの、発売から5年で販売は終了となります。ちなみ、同様なシートレイアウトでフィアット「ムルティプラ」がありましたが、奇しくもこちらも1代限りでした(車名は往年のモデルで使われていたもの)。

●スバル「R1」

デザインの評価は高かったもののニーズがなくなってしまった「R1」

 スバル「360」という名車中の名車がありましたが、その後継車として1969年に「R-2」というモデルが販売されていました。そこから30年ほどの歳月を経た2003年に、4ドア・ハッチバックタイプの軽自動車、スバル「R2」が車名を踏襲するカタチで発売されました。

 その派生モデルとして、今回紹介する2ドアハッチバックの「R1」が2005年に発売されます。基本的な部分は「R2」と共通していますが、「R1」は2+2のシートレイアウトとしており、リアシートの居住性を犠牲にして外観のデザインを優先したパーソナルクーペとなっています。

 内装のデザインも「R2」に準じていましたが、色使いがポップなイメージを採用したり、素材も本革が用意されるなどと、スペシャリティカーの要素が取り入れられていました。

 しかし、軽自動車はトールワゴンや、スライドドアのハイトワゴンにニーズが集中していったため、「R1」は「R2」共々、フルモデルチェンジすることなく2010年に販売を終了。

 同時にスバルは軽乗用車の生産から撤退し、2012年には「サンバー」の生産を終了することで、軽自動車の生産を完全に終了することになります。

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