満を持して復活した5代目「フェアレディZ」 初代をオマージュし記憶にも記録にも残る1台に
日産を代表するスポーツカー「フェアレディZ」(Z33型)が2002年に復活。5代目となった「フェアレディZ」はデザインや全車2シーターに自然吸気エンジンとなるなど、随所に初代「フェアレディZ」をオマージュしたものとなっていました。
全グレード3.5リッターNAエンジンで2シーターとなった5代目「フェアレディZ」
日産がルノーと提携を開始した翌年の2000年に、「フェアレディZ」の系譜は4代目のZ32型をもって一旦途絶えることになりました。しかし、日産を代表するスポーツカーの火は消えず、2002年に5代目となる「Z33型 フェアレディZ」が発売されました。
2002年といえば「平成12年排出ガス規制」の非適合車種に設定された生産猶予期限が切れる年で、「スカイラインGT-R(R34型)」を始め、各社のスポーツカーが姿を消しました。
高性能車にとっては受難の時代となっていましたが、「日産にはスポーツカーが必要」と考えていたカルロス・ゴーン元会長が就任した2000年に、次期型「フェアレディZ」の開発が再開されたといいます。
先代「フェアレディZ」は、3リッターV型6気筒DOHCツインターボエンジン「VG30DETT型」を搭載し、国産車で初めて最高出力280PSを達成していましたが、5代目は自然吸気ながらも280PSを発揮する3.5リッターV型6気筒DOHCエンジンの「VQ35DE型」を搭載。
ターボチャージャーの補助を得ないことで、アクセル操作に敏感なエンジンの反応を生み出し、普段はジェントルに走りながらもアクセルペダルを踏みこんだ瞬間からは大排気量車ならではの走りを楽しめる、大人のための上質なスペシャリティースポーツクーペに仕上がっていました。
トランスミッションは当初から6速MTと5速ATが採用され、スポーツ走行派とイージードライブ派の両方に対応。
組み合わされたシャシは、開発期間の短縮とコスト低減を図るために11代目「スカイライン(V35型)」のプラットフォームを流用し、スポーツカーにふさわしい様々な補強が施されました。
足回りも強化された4輪マルチリンク式サスペンションを採用。的確に路面を追従するものとなっており、「ターボエンジンじゃないとZじゃない」などと否定的だったドライバーたちも、ハンドリングの良さで一目置く存在となりました。
また、外観は初代「フェアレディZ(S30型)」をオマージュするかのようなイメージとなり、歴代「フェアレディZ」にあった「2by2」は廃止され、全車2シーターのみに統一しています。