満を持して復活した5代目「フェアレディZ」 初代をオマージュし記憶にも記録にも残る1台に
ラインナップの拡充と改良が続けられ、国内外で大ヒットを記録
2003年10月には、ラインナップの拡充が図られました。先代「フェアレディZ」にはオープンカーの「コンバーチブル」がありましたが、運転席後方にロールバーが残るタイプで、完全なフルオープンではありませんでした。
そこで5代目「フェアレディZ」ではボディ剛性を高めロールバーを廃し、フルオープンを可能にした「フェアレディZ ロードスター」を発売。屋根は流行のメタルトップではなく、伝統的なソフトトップ(幌)を採用し、電動により約20秒間で開閉できました。
とくに北米市場では、スポーツカーにオープンカーをラインナップするのが当然だったので、そのリクエストもあり「フェアレディZ ロードスター」は発売されました。
発売時に280PSだったVQ35DE型エンジンの最高出力も、2004年1月に発売された期間限定車「S-tune GT」では300PS、2005年9月のマイナーチェンジ時には全車294PSまで引き上げられます。
2007年1月にはスカイラインセダンに搭載された「VQ35HR型」エンジンに変更され、最終的には出力は313PSまで向上しています。
さらに、2007年のマイナーチェンジではエンジンの変更にともない、ボンネットに初代「フェアレディZ」と同様な形状の膨らみが付くデザイン変更も行なわれています。
2007年には最高出力350PSを発揮する3.8リッターに改造されたVQ35HR型エンジン搭載の「フェアレディZ Version NISMO Type 380RS」を300台限定で発売。
このモデルは、スーパー耐久参戦用モデル「フェアレディZ Version NISMO Type 380RS-Competition」(400PS)を公道走行仕様に変更したもので、前後のバンパーや、フロントスポイラー、リアスポイラーを「Version NISMO」と同様な仕様となっていました。
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5代目「フェアレディZ」は「SUPER GT」や「スーパー耐久」などの国内レースでも活躍し、「Zは速くあるべき」と考える古くからの「フェアレディZ」ファンを納得する結果を残しています。
2008年に次世代のZ34型にスイッチするまでに、Z33型はZ32型の2倍以上に相当する約25万台を生産する大ヒットとなるなど、日産のV字回復を象徴するかのように、記憶にも記録にも残る1台となりました。
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