「ピヨ! カッコー」安全合図のメロディ音 「音響信号」の音色種類や改善点とは

音響信号のこれまでとこれからの改善点

 前出の日本盲人連合は、音響信号への改善点などについて、「警察庁は、スピーカー位置を高さ約3.3mと定めています。しかし、利用者からは『音源の位置が高すぎて方向が取りにくい』という声があり、利用者が横断歩道を安全に渡ることや近隣住民への配慮のためにも、スピーカーの高さや指向性については開発が進むことが望まれます」と話します。

歩行者向けの信号機に設置されている音響スピーカー

 目の不自由な人にとって安全補助の役割を担う音響信号機の製造状況はどうなっているのでしょうか。

 信号機メーカーの日本信号株式会社は、「いつごろから製造されているかという歴史的な背景は資料がないため不明です。しかし、信号機の製造や設置に関するルール『警交仕規』では、1976年(昭和51年)に『警交仕規第21号・視覚障害者用交通信号付加装置仕様書』が発行されており、当社では当時大阪工場で設計・製造・販売している記録が残っています。

 製造する音の種類については、警察庁からの通達(擬音式に置き換える)もあり、擬音式に置き換わりつつあります。製品割合では、95%程度が擬音式、残りがメロディ式となります。

 また、指向性のスピーカーについては、当社製品には取り扱いがありません。しかし、世間では指向性の強いスピーカーを取り扱うメーカーがあり、駅などで採用されているようです」と話します。

※ ※ ※ 

 視覚障害者をはじめとする利用者が安全に横断歩道を渡るためにも、周囲の人や交通強者(クルマ側)が配慮をすることは、重要な要素です。街中で聞こえる鳥の擬声やメロディ音を聞いたら、周辺に音響信号を利用する人がいる可能性があることを覚えておきましょう。
 
【了】

街中に設置されている音響信号を画像で見る

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