那智勝浦〜串本に「新ルート」開通! 「ずさんなトンネル工事」で一時白紙も“全部やり直し”でようやく完成! 県道234号「八郎山トンネル」3年延期を経て9月20日に開通 和歌山
和歌山県は施工不良の再整備を終えた「県道234号 長井古座線」の八郎山トンネル区間が2026年9月20日に開通すると発表しました。
コンクリートの施工不良で再整備に
和歌山県は2026年8月4日、長年整備を進めてきた「県道234号長井古座線」のうち、「八郎山トンネル」区間の開通を発表しました。
トンネルの施工不良という大きなトラブルを乗り越えて、9月20日16時からようやくの供用が始まります。
県道234号長井古座線は、世界遺産にも指定された「熊野古道」や「那智の滝」など、数多くの名所で知られる那智勝浦町と串本町を結ぶ延長約16kmの一般県道です。ちょうど両町境の区間は未開通となっています。
この未開通部を県道45号「那智勝浦本宮線」経由で結ぶのが、八郎山トンネル区間です。
同区間は本来、2023年に開通を迎える予定でしたが、道中にある延長0.7kmの八郎山トンネルで、工事を担当した事業者に起因する大規模な施工不良が発覚。
その内容としては、トンネル内の覆工コンクリートの厚さ不足、内部に空洞が生じているなど、トンネルそのものの構造の安全性を脅かすもので、結果一度すべてのコンクリートを剥がし、同工事を再施工する必要があると判断されました。
事態を重く見た県は専門家を含めた委員会を立ち上げて、慎重に再整備の事業を進めてきました。
2026年4月21日に和歌山県が現場を視察し、出来形や品質などの適正検査を実施して、安全性に問題がないことを確認し、あらためてトンネルの前後区間の道路を整備して、延長約3.4kmの八郎山トンネル区間はようやくの完成を迎えました。

未開通部となっていたこの区間は、紀伊山地の最南部を構成する標高約250mの八郎山が立ちはだかっており、ここを迂回するには海岸沿いの国道42号を利用するほかありませんでしたが、八郎山トンネルによって県道45号線を経由し、山側でショートカットが可能になります。
那智勝浦町や串本町をはじめ、紀伊半島全域の主要道路となる国道42号は海岸沿いを走っていますが、山から海にかけて斜面になっていることから土砂崩れのリスクも高く、一定の降雨で通行止めになる区間も多数あります。
さらに、南海トラフ地震が発生した際には海側の42号は深刻な被害に見舞われる可能性が高く、避難路としても活用できません。
八郎山トンネルを含めた県道234号線が開通すれば、山側の代替路として機能する役割を持ち、災害時における緊急輸送路の「二の矢」としての活躍にも期待されているほか、42号のバイパス「那智勝浦新宮道路」などの交通ネットワークに対するアクセス性が向上。
観光・レジャーや物流、地域生活などの交通を活性化し、周辺地域の連携強化も図られます。
Writer: 春山優花里
フリーランスの編集記者。WEB媒体を中心に15年以上メディア業界で働くなんでも屋。幼少期に叔父の書斎で見た膨大なミニカーコレクションに圧倒され、クルマやバイクに興味を持つ。漫画やアニメ、ゲームが好き。

















