40年以上の時を経て“名車Z”復活!? 6速MTのホンダ「斬新スポーツカー」に大注目! 「水中メガネ」オマージュデザイン採用の“懐かしすぎる” ホンダアクセス「Re:Z」とは!
ホンダアクセスが2018年の「東京オートサロン」で披露した「Re:Z(アールイーゼット)」は、ハイブリッドスポーツ「CR-Z」を大胆にカスタムしたコンセプトカーです。往年のホンダ「Z」を思わせるデザインを取り入れたRe:Zとは、どんなモデルなのでしょうか。
「Z」つながり!CR-Zをベースに生まれた「新訳Z」
ホンダ車の純正アクセサリーを開発・販売するホンダアクセスは、2018年に開催された「東京オートサロン2018」で、ユニークなコンセプトカー「Re:Z(アールイーゼット)」を披露しました。
丸目2灯のフロントフェイスや特徴的なリアウインドウを備えたレトロな姿ですが、そのベースとなっているのは、2010年から2017年まで販売されたハイブリッドスポーツのホンダ「CR-Z」です。
比較的新しいCR-Zを使いながら、1970年代を代表するホンダ車のひとつである初代「Z」の雰囲気を現代的に再現したモデルでした。
Re:Zの企画の背景にあったのが、中古車を新たな価値を持つ一台へと仕立て直す「リノベーション」という考え方です。
ホンダアクセスの商品企画を担当するスタッフが、旧いZに興味を持ちながらも、故障や維持などの面で所有するハードルが高いと考えたことから、現代のクルマを使ってその魅力を楽しむというアイデアにつながったといいます。

そこで白羽の矢が立ったのが、同じく車名に「Z」を持つCR-Zでした。
CR-Zは1.5リッターガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載するスポーツモデルで、CVTに加えて6速MT仕様も設定されていました。
Re:Zでは、その6速MT仕様をベースとすることで、レトロなスタイルだけではなく、クルマを操る楽しさも持ち合わせています。
では、そのデザインのモチーフとなった初代Zとは、どのようなクルマだったのでしょうか。
初代Zは1970年10月に登場。前輪駆動の軽自動車「NIII360」をベースに開発された2ドアモデルで、実用性が重視されていた当時の軽自動車のなかにあって、スタイリングや走りを意識したスペシャリティカーとして登場しました。
ホイールベースはNIII360譲りの2000mmでしたが、ボディデザインは大きく異なります。
丸みのあるスタイリッシュなフォルムに、強く傾斜したフロントウインドウを組み合わせ、スポーティな雰囲気を演出していました。
そして、初代Zをもっとも印象づけたのがリアまわりです。
黒い樹脂製の縁で囲われた開閉式リアウインドウを採用し、その独特な見た目から「水中メガネ」という愛称で親しまれました。
登場時には空冷の354cc直列2気筒エンジンを搭載していましたが、1971年には水冷エンジンへ変更。この際にはフロントまわりなどにも改良が施されました。
さらに1972年にはBピラーを廃したハードトップへと発展し、1974年まで生産されています。
そんな初代Zの特徴をCR-Zへ落とし込んだRe:Zでは、ボディの基本骨格やドア、ウインドウ類などを生かしながら、前後のデザインを大幅に変更しています。
フロントでまず目を引くのが、初代Zを思わせる丸目2灯のヘッドライトです。
このヘッドライトには軽自動車「N-ONE」のパーツを流用。グリル部分はヘッドライトと一体感を持たせながら、初代Zのハードトップモデルを思わせる2分割風の造形を取り入れました。
さらにフロントフェンダー上部には、初代Zに見られたわずかな“峰”を表現するなど、単に丸目に変更しただけではない細かなオマージュも盛り込まれています。
そして、Re:Zを特徴づけるもうひとつのポイントがリアまわりです。
CR-Zのルーフ形状を大きく変更して高さを持たせるとともに、後端には初代Zを象徴する「水中メガネ」をイメージしたリアウインドウを設置しました。
もともと低く流麗なシルエットを持つCR-Zから印象を一変させ、シューティングブレークを思わせるスタイルへと仕立てています。
これにより外観の雰囲気を変えただけでなく、2人で日常的に使用するうえで十分な積載性も確保しました。
テールランプも専用品ではなく、「モビリオスパイク」の横長タイプを流用。形状の異なるホンダ車の部品を巧みに組み合わせながら、初代Zの雰囲気を作り上げています。
こうしたホンダ車のパーツを活用する手法は、インテリアでも徹底されています。
ダッシュボードまわりも大幅に手が加えられ、ステアリングホイールには「ステップワゴン」用を採用。
さらに、チェック柄のシート表皮には2輪車「モンキー」の50周年記念モデルに使用された素材を取り入れるなど、4輪車だけにとらわれないユニークなコーディネートが施されています。
外装色にもこだわりがあり、「スーパーカブ110」などに設定された「グリントウェーブブルーメタリック」を採用しました。
このようにRe:Zは、新しい専用部品だけで一台を作り上げるのではなく、ホンダが持つさまざまな車種の部品やデザインを組み合わせることで、往年のZを独自に再解釈しています。
車名の「Re」には、「リラックス」「リノベーション」「リユース」「リバイバル」という意味が込められており、まさに中古車へ新しい価値を与えるというコンセプトを体現したモデルでした。
残念ながらRe:Zが市販化されることはありませんでしたが、往年の名車そのものを復刻するのではなく、比較的新しい中古車をベースにその魅力を楽しむという発想は、現在見てもユニークです。
CR-Zと初代Z、さらに歴代ホンダ車や2輪車のパーツまで組み合わせて生み出されたRe:Zは、中古車の新たな楽しみ方を示した一台だったといえそうです。
Writer: くるまのニュース編集部
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