“16年ぶり全面刷新”で「e-POWER専用」になった日産「新型エルグランド」 と “高級ミニバン代表格”トヨタ「アルファード」! 最新“大型ミニバン”のスペック&価格を比較 違いは?
日産が16年ぶりに全面刷新した新型「エルグランド」と、高級ミニバンを代表するトヨタ「アルファード」。一方は第3世代e-POWERを搭載、もう一方はガソリン、ハイブリッド、プラグインハイブリッドを揃えます。両モデルは何が違うのでしょうか。
高級ラージサイズミニバン、スペック&価格はどう違う?
日産が16年ぶりにフルモデルチェンジした新型「エルグランド」と、高級ミニバンを代表するトヨタ「アルファード」。最大のライバル関係にある両車は、どのような違いを持つのでしょうか。
エルグランドは1997年に初代が登場した、日産のラージクラスミニバンです。従来型にあたる3代目は2010年に誕生し、長期間にわたって販売されてきました。
日産は2025年10月29日、「ジャパンモビリティショー2025」で4代目となる新型エルグランドを先行公開し、2026年7月16日に発売しました(AUTECHは8月上旬発売)。
いっぽうのアルファードは2002年に初代が登場。現行の4代目(40系)は2023年6月に発売され、プラットフォームを刷新するとともに、2025年1月にはシリーズ初のプラグインハイブリッド車も加わりました。直近では、2026年6月3日に一部改良を受けています。

●外観/内装デザイン
新型エルグランドのエクステリアは「The private MAGLEV(リニアモーターカー)」をデザインコンセプトとし、威厳とダイナミックさを兼ね備えた”威風堂々”とした佇まいを表現しています。
フロントグリルには日本の伝統工芸「組子」をモチーフにした幾何学模様を採用し、装飾を抑えたすっきりとした面構成としているのが特徴です。
インテリアは「プライベートラウンジ」のような上質空間を目指したもの。広範囲に木目調パネルをあしらい、ドアトリムには組子パターンのキルティングを施すなど、随所に日本の美意識を取り入れています。
いっぽうアルファードは「大空間高級サルーン」をキーワードに開発され、メッキを効果的に使った力強く堂々としたスタイルが特徴です。
インテリアは、おもてなしの心を貫いた室内が魅力で、最上級グレードのシートは旅客機のファーストクラスにも例えられます。
エルグランドが日本の美意識を反映した落ち着いた佇まいを志向するのに対し、アルファードは存在感と豪華さを前面に打ち出した個性が際立っています。
●ボディサイズ
新型エルグランドのボディサイズは標準モデルで全長4995mm×全幅1895mm×全高1975mm、ホイールベース3000mm。従来型に対して全幅を約45mm、全高を約160mm拡大しています。
また、外観に専用のエアロパーツや加飾を備えたカスタムカーの「AUTECH」は全長5045mm、全幅1910mm、「AUTECH LINE」は全長5020mmとなっています。
アルファードは全長4995mm×全幅1850mm×全高1935mm、ホイールベース3000mm。全長5000mm×全幅1850mm以下に収めたボディサイズとしています。なお、プラグインハイブリッド車の全高は1945mmです。
全長とホイールベースは同一ですが、エルグランドは全幅で45mm広く、全高はアルファードの通常モデル比で40mm、プラグインハイブリッド車比で30mm高いサイズとなっています。
●主要装備
新型エルグランドは、メーターとセンターディスプレイに国内モデルとして初となる14.3インチの大画面ディスプレイを採用し、操作系に静電式スイッチを取り入れた先進的なインストルメントパネルとしています。
2列目シートにはオットマンを備えるなど、ゆったりとくつろげる後席空間を重視した装備が与えられています。
アルファードは、最上級グレード「Executive Lounge」に15スピーカーのJBLプレミアムサウンドシステムや左右独立ムーンルーフ、伸縮機能付きパワーオットマンを備えたエグゼクティブラウンジシートなどを標準装備。後席用には14インチのリヤシートエンターテインメントシステムも追加されます。
なお6月の改良で、全グレードに「周波数感応型ショックアブソーバー」が標準設定され、乗り心地が向上。最上級のExecutive Loungeでは内装加飾が「ブロンズスパッタリング」へ統一され、質感も向上しています。また、新ボディカラー「ニュートラルブラック」が全グレードに設定されました。
両車ともショーファードリブン(専従の運転手がハンドルを握り、オーナーは主に後席へ乗車する高級車)を意識した後席空間に力を注いでおり、エルグランドはラウンジ感、アルファードはおもてなし装備の充実が個性となっています。
●安全装備
新型エルグランドは、運転支援技術「プロパイロット」を搭載し、上位グレードには高度な「プロパイロット2.0」を設定しています。「G e-4ORCE」に標準装備(「X e-4ORCE」にはオプション設定)される「プロパイロット (ナビリンク機能、渋滞時ハンズオフモード、車線変更支援機能付)」は、新たに渋滞時に時速50km以下でハンズオフした状態の走行が可能になり、ドライバーのウインカー操作による車線変更支援機能も追加されました。
アルファードは予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を全車に標準装備。駐車時や渋滞時の運転を支援する高度運転支援技術「トヨタ チームメイト」は、グレードや仕様により標準装備またはメーカーオプションとして設定されています。
高速道路でのハンズオフ走行に対応するエルグランドのプロパイロット2.0は、運転支援面での大きな特徴といえます。
●パワートレイン
新型エルグランドは、ハイブリッドシステムの第3世代「e-POWER」と電動4WD「e-4ORCE」の組み合わせのみの設定です。ガソリンエンジン車や、2WD車の設定などはありません。
第3世代e-POWERは、専用設計の発電特化型エンジン「ZR15DDTe」と、モーター・発電機・インバーター・減速機・増速機の5つの主要コンポーネントを一体化した「5-in-1 e-POWERパワートレインユニット」で構成されています。コンパクトかつ高剛性なユニットとすることで、静粛性と燃費性能の向上を図っています。
さらに、この第3世代e-POWERにe-4ORCEと、走行シーンに応じて減衰力を自動調整する「インテリジェントダイナミックサスペンション」を組み合わせたのも特徴です。
モーター出力はフロントが最大出力205馬力・最大トルク330Nm、リアが136馬力・195Nm、燃費(WLTCモード)は16.8km/Lとなっています。
いっぽうアルファードは、2.5リッターガソリンエンジンと、2.5リッターハイブリッド、そしてプラグインハイブリッドの3種類のパワートレインを設定しています。
ハイブリッドは2.5リッター直列4気筒エンジン「A25A-FXS」(最高出力190PS・最大トルク236N・m)に、最高出力182PS・最大トルク270N・mのモーターを組み合わせ、Zグレード(2WD)のWLTCモード燃費は17.5km/Lです。
プラグインハイブリッドはWLTCモード燃費16.7〜16.8km/L、EV走行換算距離73kmを達成しています。ガソリン車は2.5リッター直列4気筒「2AR-FE」(最高出力170PS・最大トルク232N・m)を搭載します。駆動方式は、ハイブリッドモデルが2WDと電気式4輪駆動「E-Four」、ガソリンエンジンモデルが2WDと4WDから選べます。
エルグランドがe-POWER専用かつ全車4WDに絞った構成なのに対し、アルファードはガソリン・ハイブリッド・プラグインハイブリッドと幅広い選択肢を用意している点が対照的です。
●グレード・価格
新型エルグランドのグレードは、標準系の「X」「G」、カスタム系の「AUTECH LINE」「AUTECH」、上級の「VIP」、福祉車両の「ステップタイプ」という構成。いずれも3列7人乗り・e-4ORCEで、価格(消費税込、以下同)は689万7000円から869万8800円です。
アルファードは「G」「Z」「Executive Lounge」の3つのグレードを基本に、ガソリン、ハイブリッド、プラグインハイブリッドを組み合わせた構成です。
今回の一部改良で従来の「X」グレードが廃止された一方、「Z」グレードにプラグインハイブリッドモデルが、新設定の「G」グレードにハイブリッドモデルが追加されました。
価格は、ガソリンモデルの「Z」2WDやハイブリッドモデルの「G」2WDの559万9000円からとなっており、最上級のプラグインハイブリッドモデル「Executive Lounge」E-Four(電動4WD)の1069万9700円までの設定です。
スタート価格はアルファードが500万円台からなのに対し、エルグランドは689万7000円から。エルグランドはe-POWER専用車として、はじめから高い装備内容を前提とした価格設定としているのが特徴です。
※ ※ ※
16ぶりに復活し大幅に進化して登場した新型エルグランドと、高級ミニバン市場を牽引するアルファード。どちらも日本を代表するラージクラスミニバンとして、それぞれの個性を持つ2台です。
エルグランドは第3世代e-POWERとe-4ORCEを採用し、日本の美意識を反映したラウンジ空間や高速道路でのハンズオフ運転支援を特徴としています。
アルファードはガソリン、ハイブリッド、プラグインハイブリッドという幅広いパワートレインと、おもてなしを重視した後席装備を特徴としています。
予算や用途、好みに合わせて選択してください。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。




































































































