ジムニー、Gクラスに続き「Jeepラングラー」も11年ぶり全面刷新 なぜ今年は本格四駆車が発売ラッシュ? クロカン4WDの新時代へ
ボディは大きくなっているのに小さくなったような錯覚
新型ラングラーに搭載されている2リッターターボエンジンは、最大トルクで400N・m(40.8kgm)も発生し、3.6リッターV6のスペック(347N・m/35.4kgm)を上回っています。この豊かなトルク、70kgもダイエットしたボディのお陰で、2tオーバーの巨体も軽々と動き始めます。旧型オーナーでなくとも、「ラングラーってこんなに軽々走るんだ」と驚くはずです。
乗り心地という点では、旧型と大差ありませんでしたが、問題はハンドリングの良さ。新型は電動式のパワーステアリングを採用し、そのギアレシオも見直されたようです。結果、中立での遊びこそ多いものの、応答性はかなり良くなっています。
2リッターエンジンは重量が軽いためか、3.6リッター車にはない回頭性も特徴です。コーナーで頭がスッと入っていくので、従来のような鈍くささが無くなりました。注目は最小回転半径が5.3mになったことで、ウソのように小回りがきくように。ファミレスの駐車場で何度も切り返さなくてもいいのは、オーナーのストレスを軽減してくれます。
3.6リッターV6エンジンのスペックは従来通りですが、車重が軽くなった分だけ、動力性能に余裕が出ています。またトランスミッションに8速ATが採用されたことも小気味のいい加速の一因であり、2リッター車では100km/hで1350rpmくらいと、回転数もグッと下がっています。全長は135mmも長くなっているのに、動力性能がアップするとボディが小さくなったような錯覚を受けるから不思議です。
オフロードにおいても、取り回しやパワーウェイトレシオの向上によって、扱いが楽になりました。樹木が密集するような狭い林道でも、その大きさをさほど意識せずにオフローディングができるようになりました。
今回は「ほんの触り」でしたが、旧型オーナーが負け惜しみを言えるとしたら、旧型のヘビーデューティな雰囲気だけです。多くの点において、新型ラングラーは11年分の進化を遂げていることを十分に理解できました。
価格は旧型より数十万円アップになる見込みですが、安全装備の充実やガジェットに対応したオーディオの装備など、この内容なら高くなっても文句は言えません。新型のグレードラインナップは、ベーシックな「アンリミテッド・スポーツ」と、ラグジュアリーな「アンリミテッド・サハラ」に加えて、2ドアで受注生産の「スポーツ」となります。少し後から、オフロード性能を特化させた「アンリミテッド・ルビコン」が追加される予定とのことです。