BYDが日本専用設計の軽EV「ラッコ」発表! N-BOX同等サイズ&後席スライドドア装備! 海外メーカーが軽市場5割の“主力激戦区”へ参入

中国の自動車メーカーBYDが、日本向けに開発した軽EV(電気自動車)「ラッコ」を発表しました。同車はホンダ「N-BOX」などライバルひしめく「軽スーパーハイトワゴン」に導入されます。輸入車としては異例の参入ですが、どのようなモデルなのでしょうか。

軽EV「ラッコ」発表!

 中国のEV大手であるBYDは、日本市場向けに開発した新型の軽自動車のEV(電気自動車)「ラッコ(RACCO)」を、2026年7月28日に正式発表しました。

 同車は2025年10月の「ジャパンモビリティショー2025」に試作車が出展された際にも、高い評価を集めていたモデルです。

 現在、日本の新車販売の4割近くを軽自動車が占めており、その中でも全高が高くスライドドアを備えたカテゴリーは、軽自動車市場の約5割を占めるほどの主力市場となっています。

 2025年(1月~12月)の新車販売実績を見ても、首位のホンダ「N-BOX」が20万1354台、2位のスズキ「スペーシア」が16万5589台、3位のダイハツ「タント」が12万4619台と、上位3モデルをすべてこのタイプの車種が占める激戦区です。

 そうした国内メーカーの強力なライバル車がひしめくカテゴリーですが、そもそも軽自動車は日本独自の規格となっており、海外メーカーであるBYDが同市場に参入するのは極めて異例の取り組みといえます。

BYD「ラッコ」
BYD「ラッコ」

 新型ラッコの発表会に登壇したBYD株式会社副総裁 劉 学亮氏は次のようにコメントしています。

「30数年前に群馬県太田市で暮らして以来、私にとって軽自動車は日本の生活に欠かせない存在として強く印象に残っていました。日本全国を巡る中で『BYDの技術で軽EVを作ってほしい』という多くの声をいただき、2年前にゼロからの開発を決意しました。

 海外ブランドとしては初の試みですが、エンジニアが日本の地方や日常の現場を直接歩き回り、暮らしに寄り添う車を追求してきました。これまでにない便利さと楽しさをお届けする『RACCO』の発売は、私たちにとってゴールではなく、皆様との新しい生活の始まりです」

 車名になっているラッコには、海の生き物であるラッコの賢さや愛らしさへの親しみだけでなく、絶滅危惧種であるラッコを通して環境や海、未来を守りたいというBYDの思いが込められています。また、信頼、親しみ、賢さ、心地よさ、海といったキーワードの頭文字を組み合わせた名称でもあります。

 デザインや機能の面では、日本の日常に徹底して寄り添う工夫が凝らされました。

BYD「ラッコ」発表会に登壇したBYD株式会社副総裁 劉 学亮氏

 外観はグリルレスでシンプルに仕上げられ、日本の街並みに自然と溶け込みます。ボディは全長3395mm×全幅1475mm×全高1800mmと、N-BOX(全長3395mm×全幅1475mm×全高1790-1815mm)とほぼ同等のサイズとなっており、最小回転半径は4.8mと狭い道路での取り回しにも配慮されています。

 また、乗り降りや荷物の出し入れに配慮し、フロントはヒンジドア、リアにはスライドドアを採用しているため、小さな子どもがいる家庭や狭い駐車場でも安心です。

 車内も利便性を重視した設計となっており、運転席周りには大きな収納スペースが確保されているほか、長傘を立てて置けるスペースやスマートフォンスロット、カップホルダー付きの後席用トレーなどが配されました。

 スマートフォンをかざすだけでドアを解錠できる便利な機能も備わっています。

 さらに後席には座面を跳ね上げるチップアップ機構が備わり、B型ベビーカーを畳まずに積み込める広大な荷室へと早変わりします。

BYD「ラッコ」

 安全性や快適性の面では、高強度鋼を多用したボディに6つのエアバッグを組み合わせるなど、高い安全性能が確保されました。

 予防安全(アクティブセーフティ)についても徹底されており、BYD自社開発のADAS(先進運転支援システム)を初採用。フロントビューカメラとミリ波レーダーによる「1R1Vレイアウト」で事故を未然に防ぎます。特に800万画素・4K解像度の高性能カメラを搭載することで、道路形状や車線を遠くまで高精度に認識します。

 さらに、車内への幼児置き去りを防止・サポートする「CPD(幼児置き去り検知)」や、全窓に指の挟み込みを防ぐアンチピンチ機構付きパワーウインドウを搭載するなど、ファミリー層への細やかな配慮も光ります。

 運転席前方のインパネには直感的な操作が可能な2枚の大型液晶パネルが設置され、グレードによってはパワーシートも用意されるなど、従来の軽自動車のイメージを超える装備が導入されました。

 走りに関しては、乗り物酔いしにくいスムーズでしなやかな加速感を重視した前輪駆動(FWD)を採用。減速帯、段差路、連続カーブなど、日本特有の路面環境に合わせた専用サスペンションを採用し、街中では快適に、高速道路では安定感のある、自然で安心感のある乗り味を実現しています。

 駆動用バッテリーには、高い安全性と空間効率で評価されるBYD独自の中核技術「ブレードバッテリー」を搭載。容量はスタンダード仕様が約20kWh、ロングレンジ仕様が約30kWhとなっています。

 充電や給電機能についても日本市場にマッチした高い性能を備えました。自宅やショッピングセンターでの普通充電(最大6kW)に加え、日本の急速充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)方式(最大50kW)に対応。「バッテリー予熱機能」も搭載しているため、充電性能が低下しがちな冬場でも安心して利用できます。

 さらに、バッテリーに蓄えた電力を自宅や外部に取り出せる「V2H / V2L」に対応しているのもポイントです。最大1500Wの電力で各種電化製品を使用できる「V2L アダプター」も用意されており、アウトドアや災害時の電源としても活躍します。

 ラインナップは、日常使いに適した航続距離210kmのエントリーモデル「200」、320kmの走行が可能な「300Plus」「300Premium」の計3グレードが展開され、用途に合わせて選べるようになっています。

 新型ラッコの価格(消費税込)は、「200」が214万5000円、「300Plus」が239万8000円、「300Premium」が249万7000円です。CEV補助金は15万円です。

※ ※ ※

 BYD Auto Japan 代表取締役社長 東福寺 厚樹氏は、新型ラッコにかける意気込みを意気込みを語りました。

「開発決定から約2年半、海外メーカー初となる日本の軽規格専用設計の軽EV『RACCO(ラッコ)』を本日発表できることを大変嬉しく思います。

 本モデルは、日本の軽ユーザーの皆様から強いご要望をいただいていたスーパーハイトワゴン型を採用し、両側電動スライドドアをはじめとする高い利便性を備えました。EVならではの静かで滑らかな上質な走りに加え、BYDの強みである高耐久バッテリーを活かした軽自動車最高水準の保証や、世界初となるSDV(ソフトウェア定義車両)対応など、クラスを超えた価値を1台に凝縮しております。

 今回のラッコでは販売目標台数1万台を掲げて展開してまいります。日本の皆様の日常に寄り添い、軽自動車市場へこれまでにない新たな価値とお手軽さをお届けできるよう全社一丸となって取り組んでまいります」

【BYD ラッコ 主要諸元】
 型式:BYD・ZAA-CK66EAS/BYD・ZAA-CK66EBS(4ドア・右ハンドル)
 グレード構成:200/300Plus/300Premium
 駆動方式:FWD(前輪駆動)
 乗車定員:4名
 全長×全幅×全高:3395mm×1475mm×1800mm
 ホイールベース:2520mm
 トレッド 前/後:1295mm/1305mm
 最低地上高:130mm
 車両重量:1160kg~1230kg
 最小回転半径:4.8m
 0-50km/h 加速時間:4.2秒~4.4秒
 一充電走行距離:210km~320km
 交流電力量消費率(WLTCモード):120Wh/km~124Wh/km
 モーター型式:TZ180XSAB
 定格出力:25kW
 最高出力:47kW
 最大トルク:160Nm
 駆動用バッテリー:リン酸鉄リチウムイオン電池(ブレードバッテリー)
 総電圧:224V
 総電力量:22.40kWh~35.84kWh

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Writer: くるまのニュース編集部

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