知らない人多数!? 車に貼られた「謎のちょうちょマーク」に大注目!“配慮”せず「違反&罰金」の可能性も! 実は「超重要な意味」とは!
クルマの前後に貼られた、みどり地に黄色いちょうちょのマーク。これは法律で定められた「聴覚障害者標識」です。見かけたら、どう運転すればよいのでしょうか。
車に貼られた「謎のちょうちょマーク」に大注目!
みどり色の丸の中に黄色いちょうちょが描かれた、クルマの前後に貼られるマーク。かわいらしいデザインから飾りのステッカーと勘違いされることもありますが、じつは道路交通法で定められた標識です。
正式名称は「聴覚障害者標識(聴覚障害者マーク)」。政令で定める程度の聴覚障害を理由に免許に条件が付された人が、準中型車や普通車を運転するときに表示するもので、表示は義務となっています。
周囲のドライバーにも関係があり、危険防止のためやむを得ない場合を除いて、このマークを付けたクルマに幅寄せや割り込みをすると道路交通法違反になります。
ちなみに、ちょうちょに見える図柄は二つの耳を組み合わせたもの。その形が蝶のように見えることから、このデザインが採用されたといわれています。
この標識は、2008年6月に施行された改正道路交通法に伴って設けられました。
両耳の聴力が補聴器を用いても10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえない人も、一定の条件のもとで普通乗用車を運転できるようになり、あわせてこの標識の表示が義務づけられました。
その後、2012年4月には普通貨物車や二輪車、原付、小型特殊自動車へ、2017年3月には準中型車へと、運転できるクルマの種類が広がっています。

準中型車と普通車を運転するときの条件は、ワイドミラー、補助ミラーまたは後方等確認装置のいずれかによる“特定後写鏡等”の使用と、聴覚障害者標識の表示です。
特定後写鏡等は、後方視野を十分に確保して車両斜め後方の死角を解消するための装置です。聴覚障害者標識は、周囲のドライバーに注意をうながすためのものです。
一方、大型自動二輪車や普通自動二輪車、小型特殊自動車、原付では、聴覚障害を理由とする特定後写鏡等の使用と聴覚障害者標識の表示は条件とされていません。
表示する位置は、車体の前面と後面の両方で、地上0.4メートル以上1.2メートル以下の見やすい場所。道路運送車両の保安基準により、前面ガラスには取り付けられません。
表示を怠った場合の罰則は2万円以下の罰金または科料です。反則金は普通車が4000円、準中型車が6000円で、違反点数は1点となります。
やむを得ない場合を除いて、マークを付けたクルマに幅寄せや割り込みをした側の罰則は、5万円以下の罰金です。反則金は違反したクルマの種類で異なり、普通車と二輪車が6000円、大型車(中型車、準中型車を含む)が7000円、小型特殊車が5000円で、違反点数は1点です。
では、このマークを付けたクルマを見かけたら、どのような点に気をつければよいのでしょうか。
聴覚障害のあるドライバーは、警音器(クラクション)の音では危険に気づけないことがあります。周囲のドライバーはそのことを理解し、必要に応じて減速するなどの対応が求められています。
特に注意したいのが、「警笛鳴らせ」の標識が設置された山地部の道路や、見通しのきかない交差点、曲がり角などです。
警音器を鳴らしても、対向車を運転する聴覚障害のある人がその音でクルマの存在に気づけず、発見が遅れる可能性があります。
脇道から大きな道路へ入ろうとしているクルマや、自車の車線へ進路変更しようとしているクルマも同様です。
聴覚障害のある人が運転している場合、警音器を鳴らしても音では存在に気づけず、そのまま進行を続ける可能性があるとされています。
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警察庁の運転免許統計によると、2025年末時点の運転免許保有者は8151万369人。このうち“特定後写鏡等の使用”を条件とする免許の保有者は1746人で、全体の約0.002%です。2016年の1059人から、毎年増え続けています。
なお、同じ統計で“補聴器の使用”を条件とする免許の保有者にも、補聴器を使わない場合は特定後写鏡等と聴覚障害者標識の使用を条件とする人が含まれています。
警察庁は、この標識を付けたクルマについて「ご理解と心くばりをお願いします」と呼びかけています。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。







