ホンダの「ちいさな“2人乗り”スポーツカー」! 全長4mの「ワイド&ロー」ボディがイイ! 「直4」搭載のFFモデル! 欧州の「Honda Small Hybrid Sports」って?

高い走行性能と環境性能を、コンパクトなボディで両立させる。そんなホンダの将来のハイブリッドモデルの姿を提案するデザインスタディが、かつて欧州で発表されていました。流麗なフォルムに最先端のハイブリッド技術を凝縮した一台の正体に迫ります。

ホンダが描いた「情緒的」なスポーツカー

 かつてホンダは、スモールカーの俊敏な走りと、環境負荷を低減する高度なハイブリッド技術を融合させた、新世代ハイブリッドスポーツのデザインスタディを提案していました。

 環境性能への関心が高まりつつあった当時、単なる効率の追求ではなく、「環境性能とエモーショナルな走りの融合」を掲げた「Honda Small Hybrid Sports Concept(ホンダ・スモールハイブリッドスポーツコンセプト)」です。

 このコンセプトカーは、ドイツにある Honda R&D Europe(Deutschland)GmbH のデザインスタジオでデザインされたモデルで、2007年3月のジュネーブモーターショーで世界初公開されました。

 開発では、環境に配慮した最新のハイブリッド技術による高い環境性能と、小型スポーツカーを操る楽しさを高次元で両立することが目指されていました。

 最大の特徴のひとつは「165/60R20」サイズという、20インチの大径でありながら細身のタイヤでした。

 この寸法は、低転がり抵抗とスポーティな走りの両立を狙ったもので、スポーツカーらしい力強いスタンスと環境性能を両立させる、独創的なアプローチが取られていたといえます。

 外観は、空力も意識した独創的なスタイリングが特徴で、ボディサイズは全長4000mm×全幅1760mm×全高1270mmで、ホイールベースは2350mmとコンパクトながらワイド&ローなプロポーションが与えられていました。

 インテリアは、2シーターのスポーティなコクピットとしてまとめられていました。ドライバーを中心に据えたレイアウトや、ハイテク感のあるメーター類などにより、スポーツモデルらしい雰囲気を演出。機能性と感性を融合させた、ドライバーの高揚感を高める空間が構築されていました。

 パワートレインには、4気筒ガソリンエンジンと小型高効率モーターを組み合わせた、ホンダ独自の「IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)」の進化型ハイブリッドシステムにCVTを組み合わせたFF(前輪駆動)が採用されていました。

 このハイブリッドシステムにより、スポーツカーらしい走りの楽しさと、低排出ガス・低燃費を両立することが狙われていました。

ちいさな“2人乗り”スポーツカー!
ちいさな“2人乗り”スポーツカー!

 スモールハイブリッドスポーツコンセプトは市販化に至りませんでした。

 しかし、2010年に登場したハイブリッドスポーツ「CR-Z」は、コンパクトなボディや「環境と走りの両立」を掲げるなど、スモールハイブリッドスポーツコンセプトと共通するコンセプトを持つモデルとして位置付けることもできるでしょう。

※ ※ ※

 ホンダ「スモールハイブリッドスポーツコンセプト」は、最新ハイブリッド技術による高い環境性能と、小型スポーツカーを操る楽しさの両立を目指したコンセプトモデルでした。

 独創的なスタイリングとパッケージングを通じて、新世代ハイブリッド車の方向性を示した印象的な1台だったといえるでしょう。

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Writer: 佐藤 亨

自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。

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