廃止決定!? 埼玉の「最狂・最狭路線バス」が凄かった! 狭すぎて「枝葉がボキッ!」&「終点バック」の合わせ技 “リミット”迫る異例づくしの西武観光バス「倉尾線」に乗る 〜果てなき路線バスの旅〜
知らない道路をひたすらたどり、ふだん行くことのない街の素性を知り、そして見たことのない景色に出会える。それが「路線バスの旅」の魅力です。今回は「西武観光バス」の激狭経路を通ることで有名な「G14 倉尾線」に乗ってきました。
ベテランでも緊張するレベル? 車体に枝葉が「ゴリゴリ、ボキッ」
小鹿野役場出発から20分弱。県道282号線に入ると、住宅や商店は周囲から姿を消しました。ぐいぐいと坂を登りながら、自然たっぷりの景色に心がはずみます。S字のカーブを通り抜けると、少々景色が開けました。合角ダム前のバス停「女形入口」に到着です。
合角ダムは秩父エリアに4つあるダムのひとつ。手打ちそばを提供するそば処もあり、ダムを眺められる人道橋もあります。ダムカードも配布していて、管理所で声をかけるとダムカードをもらえます。「合角(かっかく)」は「ごうかく」と読めるので、受験生にも人気なのだとか。
そんな合角ダムを横目に、ダム湖を渡る「倉尾橋」を渡ります。なかなかの眺望で、橋の赤い塗装とトラス構造も相まって、冒険している雰囲気が出てきました。しばらくは走りやすい2車線が続きます。
「日尾」バス停をすぎ、ゆったりとしたバスの乗り心地に揺られ、すっかり気持ちよくなってきたころ、前方に「落石注意」の標識が目に入ってきました。おやおや、様子が変わってきました。
続いて「追越しのための右側部分はみ出し通行禁止」、「車線減少」の標識が。緊張が走ります。ここからが難所のスタートです。

標識が出てからわずか数分。突然2車線が消えました。最後席にいてもわかるレベルで急に道が狭くなります。もし自家用車を運転していても、この狭さに出くわしたらかなりストレスです。
バスもスピードを緩めます。舗装も荒く、吊り革が左右にぶんぶん振られています。ちなみに対向車が来たら100%すれ違い困難です。
右窓のすぐ目の前には苔むした法面。左の窓はガードレールこそあるものの、崖。「シャリシャリシャリ、パキッ」。車体が枝葉を擦る音まで聞こえてきました。後ろを振り返ると、いまここをバスが通っているのが本当に不思議です。中型車でさえこの有様なのですから、大型車は確実に無理です。運転士さんの腕の良さが光ります。
緊張の区間をとりあえずクリアしました。対向車が来なくてよかったです。左の車窓に平成の名水百選に選ばれた湧き水「毘沙門水」の水汲み場が見えました。ドキドキで喉が乾いたので、降りてミネラル豊富な水で体力回復したいですが、終点はまだ先です。
とホッとしたのも束の間。やっぱりまだまだ狭い道が続くではないですか。先ほどの枝と接触するほどのレベルではないですが、再びところどころで狭くなっています。
途中、「新要トンネル」を通ります。すぐ横には岩盤をくり抜いただけの簡素な旧トンネルがあり、かつての倉尾線はここを通っていたようです。
バス停の間隔も長くなってきました。2車線の広い区間と待避所のある1車線の区間を経由し、ぐんぐんと先へ進んでいきます。一向に下り坂にならず、標高も高くなっているようです。
小鹿野役場から約40分。「次は終点、長沢」のアナウンスが聞こえてきました。

長沢手前の道もかなり狭くなっています。まだ一応は県道ですが、もう林道区間に突入しているかのような様子で、2車線は完全に消滅。待避所が何箇所かある1車線で、右に法面、左に崖が迫ります。
見通しもかなり悪く、カーブミラーを活用しながらゆっくり進みます。住宅もポツリポツリと増えはじめました。
まもなく終点長沢に到着。多少道が開けましたが、依然譲り合わないとすれ違いはできません。
そしてバスは停留所の先のロータリーでUターン…。と言いたいのですが、こんな狭い道でUターンなんかできず、ましてやロータリーなんかあるわけがありません。先は林道です。どうやって折り返すのでしょう。
するとバスは長沢バス停を通り過ぎました。「あれ!」。少々進んで一旦停止し、左に後退をはじめました。ここに「バックでバス停に車庫入れ」するということのようです。なるほど。
長沢バス停&折り返し場は、この狭い道の進行方向左側にあります。待避所+アルファくらいなサイズの開けた場所で、中型バスがちょうど収まる程度のコンパクトなスペース。バック駐車は非常に珍しいですね。
ちなみに終点バック駐車は奈良県十津川村営の超・秘境バス路線「西川線」も同様で、こちらは崖からせり出た「天空の駐車場」が終点という、非常にエキサイティングな終点となっています。
後続車がいたので、バックする運転士さんは手を挙げてあいさつをしつつ、バス専用のスペースに収まりました。ようやく到着です。乗客はけっきょく誰一人いませんでした。






























































































