レクサス「新型ES」まもなく発売! 従来の「コンサバモデル」から一変! 「新しい時代のセダン」を予感させる仕上がりに! 6月の“日本発売”前に米国で体感した印象は?
日本国内でも近々の発売が予定されているレクサスの新型ミドルサイズセダン「ES」。自動車研究家 山本シンヤ氏が米国試乗会で感じた印象をレポートします。
多彩なパワートレインを用意する新型ES それぞれの特徴は?
メカニズムはどうでしょうか。パワートレインには、BEV(バッテリー電気自動車)とHEV(ハイブリッド車)という2つの選択肢が用意されています。
レクサスはブランド全体で電動化を牽引する役割を担っていますが、新型ESはその中でもさらに先を行く存在となっています。
BEVは2タイプを用意。FF(前輪駆動)の「ES350e」はフロントにeAxle(eアクスル)を搭載し、システム出力165kW。AWD(四輪駆動)の「ES500e」は、フロントとリアにそれぞれeAxleを搭載したツインモーターAWDでシステム出力は252kWです。
バッテリー容量はともに74.7kWhで、航続距離はES350eが約650km、ES500eが約600kmとなっています(米国仕様)。日本のWLTCモードで計測すると、もう少し伸びると予想します。

実際に走らせると、ES350eでも十分以上のパフォーマンスです。応答の良さは言わずもがなですが、常用域のトルク感や加速力は「ES500eは必要ないのでは?」と思うくらいの力強さがあります。
ただ、プレミアム系のBEVに多いモリモリ湧き出るパワー感ではなく、滑らかにスーッと加速して、いつの間にか速度が出ている……という大人なフィーリング。この辺りはいい意味でパワートレインが“黒子”に徹しているように感じました。
ES500eはES350eと比べるとスペック上は約1.5倍の出力です。試乗前は「(スポーティグレードの)F SPORT的な存在かな?」、「ESの世界観をぶっ飛ばすのかな?」と思いきや、意外とジェントルでした。
常用域のトルク感、加速感はES350eとほぼ同じに感じられますが、そこからアクセルをグッと踏むと伸び感ある加速が続く感じは、エンジン車の気持ちよさに似ています。
ちなみに0-100km/hは5.9秒と、ESの中ではズバ抜けた性能ですが、体感上はいい意味で“速さ感”がありません。このあたりは大排気量NAのようなフィーリングの出力の出し方はもちろん、前後モーターの協調による姿勢制御「DIRECT 4」により加速時のピッチングが抑えられているのも大きいようです。
要するに、性能の限界を使い切るのではなく、「ゆとり」と「余裕」に活用……といったイメージです。
このフィーリングはエレガントなESにピッタリな特性だと思いますが、個人的にはドライブモード・スポーツは応答や加速特性を鋭くするだけでなく、V型8気筒エンジン搭載の「IS500」や「RC F」がラインナップから消えつつある今だからこそ、それをカバーするような“裏の顔”(狂暴さ)があってもよかったのではないか、とも思いました。

一方のHEVは、形式的には「2.5リッターエンジン+THS II」と従来モデルから変わらないように見えますが、実はシステム自体が第4世代から1つ飛び越えて「第6世代」へと進化しています。
具体的には、THSとしては初となるトランスアクスル、モーター、インバーター、DC/DCコンバーターを1つのユニットに統合した「4in1システム」を採用。これにより、軽量・コンパクト化はもちろん、ノイズや振動の大幅な低減も実現しています。
さらに、直列4気筒2.5リッターエンジンとモーター、バッテリーのすべてが高出力化されたことで、システム出力は従来の215hpから244hpへとパワーアップ。加えて、従来モデルには設定のなかったAWD(リアモーター出力:55ps/123Nm)も新たに用意されました。
試乗前は「BEVがメインでHEVはサブ」と思っていましたが、試乗してビックリ。常用域のレスポンスと力強さは、BEVのES350eとほぼ同等レベル。
アクセルを踏んでもエンジン回転をあまり上げることなくトルクが立ち上がる特性は、レクサスHEV史上最大の“電動車感”と言っていいです。従来比約1.7倍のモーター高出力化が効いているのでしょう。
常用域はエンジン音も“ささやき”レベルで、静粛性の高さも相まって「ほぼBEV」と言ってもいいくらい。
アクセル開度をグッと上げた時に「エンジンが必要以上に唸るのではないか?」と思いきや、新型ESはエンジンがより遠くで回っているような音量かつ濁音が抑えられた音質により「あれっ、そうでもないな」と感心。ここは4in1システム採用による根本的なノイズ・振動の低減が効いているのでしょう。
アクセル全開にしない限りはエンジン回転と加速感のズレ(いわゆる「ラバーバンドフィール」)もかなり抑えられているので、THS史上最もリニアな特性になっていると言ってもいいかなと思います。第6世代THS、恐るべしです。






































































