トヨタの「“3列・7人乗り”SUVミニバン」に大注目! タフスタイル×全長4.5m以下で「めちゃちょうどいい」サイズ! ジムニー級の地上高もイイ「ヴェロズ」タイモデル 「実際の印象」は
「バンコク国際モーターショー2026」に出展されたトヨタの3列シートミニバン「ヴェロズ」は、突出した性能ではなく、使い方に合った“ちょうどよさ”が魅力のモデルです。実車に触れると、その割り切りの巧みさがより具体的に見えてきました。
街乗りできるサイズ感がイイ!
トヨタ「VELOZ(ヴェロズ)」は、東南アジア市場向けの3列シートMPV(いわゆるミニバン)です。
日常での使いやすさを重視した設計が特徴ですが、実車を確認すると、空間の使い方や優先順位の付け方が実に巧みでした。
ヴェロズは、インドネシアやタイで展開される3列シートのミニバンです。
ダイハツ「セニア」/トヨタ「アバンザ」の上級モデルに位置付けられ、外観はトヨタ「ライズ」/ダイハツ「ロッキー」を思わせるSUV風のフロントマスクを採用していますが、3列レイアウトや室内重視の設計など、使い勝手を優先した構成が特徴です。
ボディサイズは全長4475mm×全幅1750mm×全高1700mm。日本のコンパクトミニバン「シエンタ」(全長4.3m級)よりも少し大きく、全長4.7m級のミドルクラスミニバン「ノア/ヴォクシー」よりコンパクトという中間的なポジションに収まります。
都市部での取り回しと、多人数乗車を両立する「ちょうどよさ」を狙った設計であることがうかがえます。

そんなヴェロズの最低地上高は、スズキの本格四輪駆動車「ジムニー」同等の205mmと、ミニバンとしては高めに設定されています。
これはSUV的な演出とともに、冠水や荒れた路面といった東南アジア特有の道路環境を想定したもの。見た目の力強さと実用性を両立させた、見事なデザインです。
筆者(自動車ジャーナリスト 吉川賢一)は、2026年3月25日より4月5日までタイで開催された第47回「バンコク国際モーターショー2026」の会場で、このヴェロズの実車をチェックする機会に恵まれました。
各座席に着座してみたところ、1列目は視界が広く、操作系の配置も直感的で、運転に集中しやすいレイアウトでした。
2列目も足元空間に余裕があり、前席との距離も適切に確保されているなど、日常的に使う席として不足のない快適性を備えていると感じました。
一方で3列目は乗り込むのもひと苦労です。そもそも後席ドアはシエンタのようにスライド式ではなく、通常のヒンジ式。
2列目シートを前方へ倒して乗り込む構造で、アクセス性は決して良好とはいえません。
着座しても2列目のシートバックとの距離が近く、大人が長時間過ごせる空間ではないというのが率直な印象です。
シエンタのサードシートと同様に、「積極的に使う3列目」ではなく、「必要時に使う補助席」としての位置付けがはっきりしています。
ただそのぶん、普段は2列目までをしっかり使い、3列目は必要なときだけ引き出すという使い方には非常に適しているといえます。
実際、3列目を畳んだ状態では荷室として使いやすく、日常的には「5人+荷物」で使うシーンに無理なくなじむ構成です。
すべてを高水準で満たしたミニバンとはいえないヴェロズですが、日常で使用頻度の高い領域にリソースを集中させることで、全体としてのバランスを整えています。
派手さで惹きつけるタイプではなく、使い方に合った「ちょうどよさ」でまとまっているのが、このクルマの魅力といえるでしょう。
※ ※ ※
ヴェロズは、3列目の割り切りと2列目の快適性という優先順位が明確で、「これでいい」と納得できる内容に仕上がっています。
使い方によってはむしろ「これがいい」と感じる人も少なくなさそうです。
Writer: 吉川 賢一
日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど



























































