「チャリなら大丈夫」はもう通用しない! 自転車の「飲酒運転orひき逃げ」で“クルマの免許”が「免停」や「取消」になる!? 電動キックボードも対象となる“厳罰化”の現状とは
兵庫県三木市教育委員会は先日、自転車で酒気帯び運転をしたとして、市内の小学校に勤務する校務員の男性の懲戒処分を発表しました。男性は自転車の飲酒運転によって運転免許の停止処分を受けたとのことですが、一体なぜなのでしょうか。
自転車の重大事故や飲酒運転で「不適格」と判断されるケースも
兵庫県三木市教育委員会は2026年4月6日、自転車で酒気帯び運転をしたとして、市内の小学校に勤務する主任校務員の男性(60歳)を停職1か月の懲戒処分にしたと発表しました。
市教育委員会によると、男性は2025年8月18日の午後8時半頃に兵庫県小野市内の道路上において、呼気1リットルあたり0.15ミリグラム以上のアルコールを身体に保有する「酒気帯び」の状態で自転車を運転して検挙されました。
その後、2026年1月19日に道路交通法違反で起訴され、30日間の運転免許停止処分と罰金10万円の略式命令を受けたということです。
市教育委員会は今回の事案に対し、「市民の皆様に心から深くお詫び申し上げます。今後こうした事案が発生しないよう、職員への指揮監督をよりいっそう徹底し、市民の皆様からの信頼回復に全力で取り組んでまいります」などとコメントしています。
このニュースに対してインターネット上では、「酒気帯びって要りますか? アルコールが検出されたら免許取消しで良いと思います」「クルマも自転車も『飲酒運転で検挙されたら一発で懲戒免職』にできないのですか? だから飲酒運転がなくならないのだと思いますよ」など、批判の声が寄せられました。
また、自転車の交通違反によって運転免許の停止処分がおこなわれることに対しては驚きの声も上がっています。
通常、自転車で交通違反をした場合は警察官による指導警告に留めておくことが原則ですが、重大な事故につながるおそれが高い違反をしたときや、警察官の指導警告に従わず違反行為を繰り返したときなどは、いわゆる「青切符」で検挙されます。
自転車は運転免許が必要な乗り物ではないため、青切符で検挙されても違反点数が加算されることはありません。
しかし道路交通法第103条第8号の規定により、「免許を受けた者が自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるとき」については、都道府県公安委員会が運転免許の取り消しや、6か月を超えない範囲内で運転免許を停止する処分ができます。
具体的には、自転車であってもひき逃げ事件・死亡事故などの重大な交通事故を起こした場合や、飲酒運転のような悪質・危険な交通違反をした場合などが挙げられます。
つまり自転車で危険な運転をおこなうと、交通モラルや運転適性が低く、自動車の運転においても「不適格」と判断され、運転免許の取り消し・停止処分をされるおそれがあるというわけです。
特に最近は、自転車の交通違反が原因でクルマの運転免許停止処分を受ける事例が全国で増加しており、今年3月には香川県や石川県などが初めて自転車の酒気帯び運転による運転免許停止処分をおこなったと発表しています。

このような厳罰化の背景には自転車関連事故の増加に加え、自転車関連事故のうち自転車ユーザー側に法令違反が多いことなどがあります。
警察庁の統計によると、2025年中に自転車が関連する事故は6万7470件発生し、全交通事故に占める割合は23.5%でした。この割合は2016年以降ゆるやかに増加傾向にあります。
また2025年中の自転車関連事故のうち、自転車側の約7割に「交差点安全進行義務違反」や「一時不停止」など何らかの法令違反がみられる状況でした。自転車ユーザーは改めて自転車の交通ルール・マナーを確認し、安全運転を心がけることが大切です。
※ ※ ※
自転車に限らず、運転免許の必要がない特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード)で悪質・危険な運転行為をして検挙された場合も、運転免許停止処分を受けるおそれがあります。
実際のところ、2025年10月に香川県内の道路を電動キックボードで酒気帯び運転した40代の女性が、今年1月に運転免許停止処分を受けるという事例も発生しています。
自転車や電動キックボードのように免許不要の乗り物であっても、場合によっては重大な事故につながる危険性があることを理解したうえで運転すべきです。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。








































