リッター“100キロ超え”! 斬新「超・低燃費スポーツカー」に注目ッ! 全長3.9mの“超軽量ボディ”に「ディーゼルエンジン」搭載! ガバッと開く“画期的ドア”も特徴的なVW「XL1」ドイツ仕様とは?

近年、電動化に伴い高効率な低燃費モデルが普及するなか、かつて1リッターで100キロ以上走る燃費を実現したモデルも存在しました。効率を極限まで追い求めた一台とは一体どのようなモデルなのでしょうか。

市販化された驚異の「リッター100キロ超え」低燃費モデル

 2026年4月時点、日本市場で新車として販売されているクルマの中で、日本で最も優れた燃費性能を誇るのは、トヨタのコンパクトカー「ヤリス(ハイブリッド車)」です。

 そのWLTCモード燃費は最高36.0km/Lに達しており、日常使いにおける経済性の高さから、多くのユーザーに支持されています。

 この数値だけでも十分に優秀ですが、自動車の世界には、さらにそのはるか先を目指した存在があります。

 2002年4月、当時のフォルクスワーゲン会長であったフェルディナント・ピエヒが「1リッターカー構想」を提唱し、圧倒的な低燃費車の実現を目指しました。

 その後、長年にわたる研究開発を経て、2009年には試作車「L1」がフランクフルトモーターショーで公開されます。

 さらに2011年には「XL1コンセプト」として進化し、最終的に2013年、限定生産モデル「XL1」として市販化にこぎつけました。

空力性能を徹底追求したデザインが、驚異の低燃費を実現
空力性能を徹底追求したデザインが、驚異の低燃費を実現

 このXL1は、単なる低燃費車ではなく、「効率を極限まで高める」という思想を徹底的に具現化したクルマです。

 搭載されるパワートレインは、800ccの直列2気筒ディーゼルターボエンジンに電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッド方式で、リチウムイオンバッテリーを備えています。

 これに7速DSGを組み合わせることで、動力の無駄を最小限に抑えた走行を実現しました。

 その結果として達成された燃費は「0.9L/100km」です。これを一般的な表現に直すと「リッター約111km」となり、現在の高効率なハイブリッド車と比較しても桁違いの数値です。

 この驚異的な性能は、エンジンやモーターだけでなく、車両全体の設計思想によって支えられています。

 まず注目すべきは徹底した軽量化です。車体には炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が採用され、車両重量は795kgに抑えられました。

 これは一般的な乗用車と比べても非常に軽く、燃費向上に大きく寄与しています。さらにボディサイズは全長3888mm×全幅1665mmとコンパクトでありながら、全高は1153mmと極めて低く設計されており、空気抵抗の低減が徹底されています。

 空力性能もまた、このクルマの大きな特徴です。空気抵抗係数(Cd値)は「0.189」という非常に優れた数値を記録しており、量産車としては異例のレベルに達しています。

 この性能を実現するために、リアホイールにはカバーが装着され、車体後部は水滴のように滑らかに絞り込まれた形状となっています。

 また、従来のドアミラーは廃止され、カメラと車内モニターによる後方確認システムが採用されました。こうした技術は、現在のクルマにも徐々に取り入れられつつあります。

 デザイン面でも独自性が際立っています。ドアにはガルウイング方式が採用され、低い車高でも乗り降りしやすい構造となっています。

 室内は2人乗りですが、空力性能を優先した結果、助手席が運転席より後方に配置されるという特徴的なレイアウトが採用されています。

 ただし、このXL1は一般的な量販車とは異なり、生産台数は世界でわずか250台ほどに限られていました。

 そのため、実用性や価格よりも、技術的な挑戦やブランドの象徴としての役割が強いモデルだったと言えます。いわば、メーカーの技術力を体現した「走るショーケース」とも呼べる存在です。

※ ※ ※

 このように、XL1は燃費性能という一つのテーマを突き詰めた結果生まれた特別なクルマです。

 現在では高効率なハイブリッド車が広く普及していますが、その背景には、こうした極限への挑戦が積み重ねられてきた歴史があります。

 XL1が示した方向性は、これからの自動車開発においても重要な指針であり続けるでしょう。

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Writer: くるまのニュース編集部

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